■クルマの性能を使い切って走る楽しみ
さらに、1.5Lエンジンは、しっかりエンジン回して使い切る楽しみもプラスされる。手に馴染んだ道具のように、自分の手の中で自在に操れている感覚は、丁度いいパワーを持つ1.5Lエンジンだからこそ。
大排気量でパワーがあるスポーツカーも楽しいが、それが使い切れていなければ、クルマとの一体感というより「クルマに乗せられている」感覚の方が大きくなる傾向にあると思う。
ということで、1.5Lエンジンモデルは、「軽快にキビキビ走るロードスターらしいロードスター」として、これ以上ないモデルだと思う。
ただ、2.0Lエンジンモデルも「よりパワーのあるロードスター」としてではなく、「グランドツーリングを楽しむロードスター」としてなら、より輝くモデルになるのではないだろうか。
実際に、ハードトップモデルのRFがそういった味付けになっているのだが、キビキビ感というよりしっとりした乗り味で、排気量のあるエンジンを、ことさらにパワーに振るのではなく、クルマに余裕を持たせる方向に使っている。
長距離ドライブをする時にも、頑張ってエンジンを回す必要はなく、心地よく運転し続けられるモデルとして、とても魅力的だと思う。
■競うのではなく選択肢を増やす
1.5Lと2.0Lを同じ土俵で競わせるのではなく、きちんと棲み分けすることで、ユーザーが自分らしいロードスターを選ぶことができるような気がする。そういった意味で、排気量に関わらずロードスターを楽しむことができれば、2.0Lエンジンのソフトトップモデルが日本に入ってきてもいいのかもしれない。
それこそ、「誰もが幸せになる」というロードスターのコンセプトが、さらに広がっていくのではないだろうかと思う。
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