■トヨタやホンダに続いて、スバルも中古車のサブスクを設定
また最近は「ユーザーが新車の購入に際して販売店を訪れる平均回数は、3回未満に留まる」という調査結果もある。メーカーや販売店のインターネットを使って、車種、グレード、オプションパーツなどを選び、購入の意思を固めてから販売店へ出向くユーザーが増えた。
クルマはサイズの大きな商品で登録制度もあり、購入後の点検や車検、リコールなども実施されるから、契約時にはセールスマンと情報交換をしなければならない。通信販売で日用品を購入する場合とは対応が違う。
つまりクルマは特殊な商品だが、クルマ離れといわれる若年層と接点を持つには、まずインターネットの利用は絶対に必要だ。メーカーや販売店も、いろいろな売り方、使い方を用意しておくことが求められる。
現時点ではどれが主流になるかわからず、乗り遅れるのも避けたい。そこで各社とも、ネットで申し込みのできるサブスクを開始している。
そしてトヨタのKINTO、ホンダのマンスリーオーナーなどに加えて、スバルも2021年3月からサブスクプランを設定した。
■クルマのサブスクは任意保険の有無で損得が分かれる
スバルのサブスクプランは、ホンダのマンスリーオーナーと同様、中古車を貸すサービスだ。全車がアイサイトを装着している車両で、利用料金は月額3万9820円以上とされる。
例えば2019年式インプレッサスポーツ1.6i-Lアイサイトであれば、12カ月契約の場合、月額料金は4万5870円だ。同じ車両を24カ月で契約すると3万9820円に下がる。
利用料金には、税金、自賠責保険料、メンテナンス費用、任意保険料も含まれる。任意保険料は対人賠償と対物賠償が無制限、人身傷害補償は1名当たり5000万円、一般車両保険などに加入している。
運転者の範囲や年齢に条件は付帯されないため、契約者が未成年の友人と一緒にドライブに出かけ、運転を交代した時に未成年者が事故の加害者になっても任意保険を使うことが可能だ。
他社にも当てはまることだが、サブスクの損得勘定は、任意保険の有無によって大きく変わる。サブスクを最も効率よく使えるケースは、契約者に未成年の子供がいるなど、任意保険を全年齢補償にする場合だ。
全年齢補償の任意保険に加入すると、車両保険まで含めれば、任意保険料がインプレッサなどでも年額24万円/月額2万円に達することもある。若年層の事故率が高いためだ。そこに税金、自賠責保険料、車検&メンテナンス費用などを年額に換算すると約10万円を要する、月額なら約8000円だ。
そして先に述べた2019年式インプレッサスポーツ1.6i-Lアイサイトの中古車価格は約170万円になる。これを3年間の残価設定ローンで使用すると、月々の返済額は約3万5000円だ(3年後に返却する)。以上を任意保険料などと合計すると、月額約6万3000円の出費になる。
一方、先に挙げた2019年式インプレッサスポーツ1.6i-Lアイサイトのサブスクでは、利用料金は24カ月で契約すると月額3万9820円だから2万2000円ほど安い。12カ月契約の月額4万5870円と比べた時は約1万7000円安くなる。
総合的に判断すると、出費を最も抑えられるのは現金購入だ。任意保険の等級が高まって保険料の安くなったユーザーも、残価設定ローンを使ったほうが出費を抑えられる場合がある。しかし事故が続いて等級を下げたユーザーを含め、任意保険料の高い場合は、スバルのサブスクがオトクになる。
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