■EVを飛び越えてFCVへ
そのヒントは2015秋に開催された東京モーターショーにある。次の10年を見据えた次世代のLEXUSを提案するコンセプトカーを世界初公開したのだ。出品したのは、近未来のフラッグシップをイメージした「レクサスLF-FC」だ。
そのネーミングからわかるように、燃料電池を積むFCVである。EVの次に来る水素社会を見据え、パワートレーンにレクサスとして初めて燃料電池技術を採用し、注目を集めた。
2代目ミライは刺激的な走りを見せ、パッケージングも絶妙だ。その先にあるレクサスブランドのFCVセダンなら、かなり魅力的だと思う。
また、今年3月には2025年までに実現することを見据えたEVのコンセプトカー、「LF-Z Electrified(エレクトリファイド)」も世界初公開した。レクサスは2025年までに全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率でガソリンエンジン搭載車を上回ることを目標に掲げている。
ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車に加え、EVを10モデル以上送り出す計画だ。今のところ限定販売だが、EV第1弾としてUX300eも送り出された。これはクロスオーバーSUVだが、いずれはEVセダンも登場するはずである。
EVやFCVはバッリーや水素タンク、モーターなどの最適配置によって走りの質感を高めやすいし、4輪駆動力制御技術も盛り込みやすい。となれば、今のレクサスとは異次元の、高度で気持ちいい走りを見せてくれるだろう。
また、先進的なインフォテイメント機能の搭載にも期待が膨らむ。話題の自動運転技術も、何らかの形で導入されるはずだ。
将来を見据えた技術の提案やデザインを積極的に取り入れ、多様性のあるクルマづくりを加速するために2024年春には愛知県の下山に新たな開発拠点を開設する。
次世代のレクサスのクルマづくりに一丸となって取り組み、モビリティ社会の未来を創っていく体制が整えば、新しいカタチのセダンが生まれてきそうだ。レクサスの新たな1ページの幕開は間もなく、と思いたい。
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