「運転支援技術」による事故の責任は?
次に“運転支援技術による事故”(編注:レベル2以下の運転支援技術)。これはもう責任の所在が明らかであり、一義的には誤った使い方をされたドライバーにその全ての責任があります。
監視義務はいかなる場合でもドライバーにあるのです。しかし、自動車メーカーとしてもまったく責任がないかといえば違います。
過大、誇大なる表現方法によって、あたかも我々が目指すべき自動運転の定義に則った技術をすでに実装しているかのようにユーザーへと告知することは、副次的に誤った使い方を助長することになりかねません。
2018年4月、日本では「衝突被害軽減ブレーキに関する認定制度」がスタートしました。
これは、いわゆる「サポカー」の普及促進に加え、自動ブレーキに対する過信を防ぐために自動車メーカーからの要望に応じて制定されています。
この先も、しばらくの間、軽微なものを含めれば実証実験車による事故はゼロにはならないでしょう。しかし、事故/死傷者ゼロという大きな目標があります。
でも、だからといって自律自動運転技術を確固たるものにする開発期間に発生する事故を正当化する理由にはなりません。
◆自動運転の鍵!! 人工知能の開発についてトヨタがコメント
2018年5月15日、トヨタは、自律自動運転開発のデータ分析範囲における民間企業との提携を発表しました。
その2日後に開かれた記者説明会でトヨタの平野洋之氏(自動運転・先進安全統括部)は、自律自動運転の開発について、
「人が想像できる範疇での技術開発には限界があります。例えば、自動運転と密接な関係にある人工知能の開発現場では、1.ひとつでも多く実用的なデータを収集し、2.正確に分析、3.そして実装していくプロセスが大切です」
「よって人工知能では、その鍵となる画像認識の分野をステップアップさせていくことが、自動運転の早期実現に向けた王道だと考えています」
と語っています。
(編注:人工知能の開発プロセスをトヨタとして明言するのは異例。そのため自動運転を巡る動きの最新情報として、本記事に記載しました)
コメント
コメントの使い方