欧州車に負けてない!? 最新アメ車の意外な進化と日本で売れない本当の理由

実は長足の進化を遂げているアメ車の最新事情

日本未導入のクライスラー
日本未導入のクライスラー パシフィカ。全長5170×全幅2020×全高1775mmと全長、全幅はトヨタのアルファードよりひと回り大柄。米国では約450万円~(ハイブリッド)という価格設定だ

ボクは毎年ワールドカー・オブ・ザイヤー(WCOTY)の試乗会でアメリカに行き、様々なアメ車に試乗しているが、ここ数年のアメ車の進化はもの凄いと感じている。

まず、ミニバンのクォリティが凄い。イチオシはクライスラー パシフィカ・ハイブリッドだ。

いわゆるプラグインハイブリッドで床下に16.0kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、モーターのみで約50km走行する。

しかも、アトキンソンサイクルのV6 3.6Lエンジンを搭載。ボディはアルファードよりも大きいけれども、トルク感豊富、室内静か、乗り心地バツグン。

公称34.0㎞/Lの燃費は大袈裟かもしれないけれど、とにかくガソリンが減らない。

ACC(追従型クルコン)やレーンキープアシスト、プリクラッシュブレーキなど安全装備もしっかりしている。

コンパクト系SUVではビュイック エンビジョンもボディ剛性がしっかりしていて、サスペンションはストロークがあるが驚くほどしなやかにコーナリングする。セダンのビュイック ラクロスは、もうアメ車のラグジュアリー感が素晴らしい。

キャデラックは日本にも導入されているので、その良さは日本のモータージャーナリストも認めているところ。とにかく昨今のアメ車は欧州車? と見まがうくらいに良くなっている。

しかし、その良さが一般に伝わっていないのは我々の責任でもある。反省。では、どうして売れないのか?

アメ車が日本で売れない本当の理由

1Lターボとは思えない走りで日本でも話題となったフォード フィエスタ。
1Lターボとは思えない走りで日本でも話題となったフォード フィエスタ。全長×全幅×全高は3995×1720×1475mmと日本でも扱いやすいサイズで、価格も200万円台前半と手頃だった

先述のような偏見もまだ根強く残っているだろう。サイズがバカでかいことも一部のユーザーにしか許容されないこともある。しかし、今、強く思うのは、フォードの日本市場撤退が大きいということ。

撤退直前、フォーカス、フィエスタと日本市場にマッチした新車がデビューし、しかもその性能が素晴らしかった。特にフォーカスは、静粛性もハンドリングもコンパクトカーの域を超えていた。

しかし、廉価版モデルを輸入できず、日本でのラインナップはラグジュアリー系のそこそこ価格の高いモデルのみだった。これじゃぁ売れないよね。さらに、販売店が少ない。

アメ車のインポーターは、どこも販売網に苦労している。理由は、アメリカ本社が「売れないから」と予算を与えないため。

トランプ大統領、あなたの言いたいことはわかるけれども、日本でもっとアメ車を売りたいのなら、まずフォードを復帰させること。そして、そして販売店を増やして販売網を強化することを米自動車メーカーに直接指示してください。

そうすれば、貿易摩擦も改善するはずです。

◆日本で買えるアメ車事情

フォードが撤退した現在、日本で正規モデルを販売するのはジープ、キャデラック、シボレー、テスラの4ブランド。各ブランドで代表的なモデルと、その価格は次のようになっている。

・ジープ レネゲード ロンジチュード/297万円
・キャデラック ATS ラグジュアリー/479万円
・シボレー カマロ LT RS/478万円
・テスラ モデルS 75D/960万円

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