「高空気圧=破裂しやすい」は間違い! 月イチ点検で気を付けたいタイヤの低空気圧

■タイヤ空気圧は低いほうが危険なことが多い。

 それよりも問題なのは、指定空気圧よりも低すぎるケースだ。インチアップによるタイヤサイドウォールの剛性向上や好みの乗り心地の問題から、タイヤの空気圧を低めにしたい場合もある。それでもせいぜい1割程度が下限と思ったほうがいい。むしろインチアップして空気圧を落とすのは、タイヤへの負担が高まるのでオススメできない。

 やはり危険なのは、タイヤの空気圧などすっかり忘れて、クルマを利用し続けている場合だ。車検以外はガソリンを給油するだけで乗り回していたら、タイヤの空気圧はかなり減少する。そのまま乗り続け、高速道路を走行すると、バーストする可能性が高くなる。

 タイヤは空気圧が少ないと、路面に接触しているトレッド面の変形量が増え、タイヤ全体が波打ったようになるスタンディングウェーブ現象を引き起こしたり、その変形や振動によってタイヤ自体の温度が上昇し、バーストしてしまうこともあるのだ。

空気圧が少ないことでスタンディングウェーブ現象が発生(madscinbca@Adobe Stock)
空気圧が少ないことでスタンディングウェーブ現象が発生(madscinbca@Adobe Stock)

 縁石やキャッツアイなどを乗り越えた時に、リムとの間で潰されてサイドウォール内部に剥離が起きてしまう、セパレーションと呼ばれるバースト予備軍のような状況になる危険性も、空気圧が低いと高くなる。

低扁平タイヤは低空気圧でセパレーションが起きやすい
低扁平タイヤは低空気圧でセパレーションが起きやすい

 タイヤの空気圧だけでもボディ剛性や足回りの硬さとのバランスを追求すると、クルマの運転がが然、楽しくなってくる。サーキットを走るなど速さを追求しなくても、タイヤは奥が深いものなのだ。

定期的な空気圧チェックは必須、ガソリン給油時にチェックしよう
定期的な空気圧チェックは必須、ガソリン給油時にチェックしよう

 タイヤ空気圧の点検は、給油のたびに行なってもいい。タイヤの空気圧を自分でエアゲージなどを使って行なうなら、ついでにタイヤのサイドウォールのヒビ割れや、トレッド面に異物などが刺さっていないか、残り溝はどれくらいか、中央やショルダー部など特定の部分だけ変摩耗していないか、などザッとでもいいから、見ておくようにすると、タイヤトラブルに遭うリスクも減らすことができるハズだ。

【画像ギャラリー】タイヤの空気圧をチェックしてトラブルを未然に防ぐ!!

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