■ダンプ装置は2種類存在! ホイスト式とテレスコピック式の違いは?
ダンプトラックの構造はシンプルで、荷台、ダンプ装置のほか、ダンプ装置を動かすためのギアポンプをシャシーフレーム内側に搭載。動力はトランスミッションPTOから取り出す仕組みで、トレーラの場合はトラクタから動力供給を受ける。
ダンプ装置は2種類あり、日本では「ホイスト式」が主流。ホイスト式は、油圧シリンダー、リフトアーム、テンションロッドという3つのパーツからなるホイストシリンダーで荷台を持ち上げるもの。ダンプアップのスピードが早く、頑丈なのが特徴で、操作は運転席シート付近のダンプレバーを引き上げて行なう。
いっぽう、欧米で主流の「テレスコピック式」は、電動油圧式のテレスコピックシリンダーで荷台を持ち上げるもの。ダンプアップのスピードはホイスト式より遅いが、そのぶん安全性が高いといわれており、近年、日本でも普及し始めている。操作はボタン式だ。
■荷台バリエーションも多種多様!でっかく運べるダンプトレーラも増加傾向
どちらのダンプ装置も、シャシーの一番後ろのピンで荷台を固定しているのは共通。積み荷は荷台最後部のリアゲートから降ろす。リアゲートは荷台を持ち上げると自動でロックが解除される仕組みが基本で、万が一の事故を防止するダブルロック仕様などさまざまなオプションが存在。
荷台は、積み荷の種類・用途に応じ、荷台の長さ、アオリの深さ、鉄板の材質などを組み合わせる。材質はスチールが一般的だが、積み荷の種類・用途によっては軽量なアルミや、サビに強いステンレス、軽量で頑丈な耐摩耗鋼板も用いられる。
ちなみに、ダンプトラックで一番ポピュラーなのは、GVW20t級・ホイールベース4.5m級の6×4シャシーをベースとする通称「10tダンプ(土砂用)」。
「10t」は最大積載量に由来し、近年はシャシー重量が増えてしまったため、実際の最大積載量は7500kg前後にとどまるが、昔からの名残で今でも「10tダンプ」と呼ばれている。
また、近年は輸送効率アップやドライバー不足への対応を図るため、大量輸送が可能なダンプトレーラが増加中。長距離の拠点間輸送をダンプトレーラ、拠点から現場までを10tダンプというように棲み分けも始まっている。
コメント
コメントの使い方