やっぱり5ナンバーがちょうどいい!? 日本の道に最適なクルマ 5選

あえて最適な寸法を求めた新型ノート

日産ノート(販売期間:2020年~/全長4045×全幅1695×全高1520mm)
日産ノート(販売期間:2020年~/全長4045×全幅1695×全高1520mm)

 日産 ノートは、前型に比べ車体全長をわずかだが短くしてモデルチェンジした。それでも外観は貧相になることなく、かえって豊かな存在感を高めている。

 前型ノートから日産が採用した独自のハイブリッドシステムであるe-POWERは、新型ノートから第2世代となり、快適性が格段に向上した。

 具体的には、発電のためガソリンエンジンを稼働する状況を極力減らし、モーター走行の静粛性をいっそう体感できるようにしたのだ。市街地など比較的低い速度での走行中はできるだけ発電しないような制御とし、加速するときや、より高速で走行し風切り音やタイヤ騒音などが高まってエンジン騒音を意識しにくい状況で発電するようにしたのである。

 そうした改善は、SUV(スポーツ多目的車)のキックスではじまっていたが、エンジンを含め本格的に改良が施されたe-POWER第2弾という進化は、新型ノートからとなる。

 室内は、現行の2代目リーフより先進的な内装になり、車体が多少小型になったとはいえ荷室容量にも不足はない。新車が次々大型化していくなかで、あえて最適な寸法を求めた新型ノートの意味は大きい。

 燃費も、格段に向上した。WLTCで前輪駆動(FWD)なら28km/L以上、後輪をモーターで駆動する4輪駆動でも23km/L以上だ。日本の道に最適なコンパクトカーの一台である。

納得の使い勝手を誇るシエンタ

トヨタ シエンタ(販売期間:2015年~/全長4260×全幅1695×全高1675mm)
トヨタ シエンタ(販売期間:2015年~/全長4260×全幅1695×全高1675mm)

 現行のトヨタ シエンタは、新車として発売されてからすでに6年となる。しかし、今日なおその外観に衰えはなく、販売も堅調で、2021年3月の国内販売では8682台を売り12位の成績だ。この数字は、同社のプリウスやノアより上だ。そして日産セレナに次ぐ成績である。

 シエンタの外観は、歌舞伎の隈取りを思わせる大胆な様子だが、車体色の選び方によってそれを強調することも、目立たなくすることもできる。そのうえで、スライドドアを持つトールワゴンとしての使い勝手も人気の理由だろう。

 5ナンバー車でありながら、2列と3列の座席を選ぶことができ、スライドドアを開けて乗車する際の床は低く抑えられ、後席のアレンジは荷室の床を平らに広げることができ、操作は容易だ。収納も、14か所に及ぶ。

 また、当初から福祉車両として後ろから車椅子を載せることも考慮した車体構成は、通常でもより便利な使い勝手をもたらしているはずだ。

 4輪駆動はガソリンエンジン車となるが、前輪駆動(FWD)と福祉車両はハイブリッド車(HV)を選ぶことができる。そしてHVの燃費は、WLTCモードで22km/L以上だ。ことにHVは、走行中の静粛性に優れ、上級車種の趣もある。

 日本の道に最適は小型トールワゴンである。実は拙宅の近所で、すでに所有するシエンタに増車でシエンタを購入し、2台にした家がある。シエンタに対する根強い人気をうかがえる。

多様性兼ね備えるシャトルは希少5ナンバーワゴン

ホンダ シャトル(販売期間:2015年~/全長4440×全幅1695×全高1545mm)
ホンダ シャトル(販売期間:2015年~/全長4440×全幅1695×全高1545mm)

 ホンダ シャトルは、国産車では数少ない5ナンバーのステーションワゴンだ。トヨタ カローラも現行車となって3ナンバーになり、スバル レヴォーグも3ナンバー車だ。カローラには、まだ前型のフィールダーも選択肢が残るが、現行車種の5ナンバーステーションワゴンとして、シャトルの存在意義は大きい。

 近年は、SUV人気となりステーションワゴンの需要は減ったといえる。しかし、いざ使うとなると、SUVは車高が高くなるぶん、乗り降りが不便だ。ことに高齢になるほど、乗るのも大変だが、降りる際に地面に足が届きにくく、飛び降りるような様子となる。

 コンパクトなトールワゴンでも、ミニバンのようにやや座席位置が高い車種があり、4ドアセダンなど従来の乗用車と同じような使い勝手で乗り降りできるステーションワゴンは、時代の最先端ではないかもしれないが、安心できるクルマだ。

 セダンに比べ荷室にさまざまな大きさの荷物を積むことができ、多様性がある。いっぽう、後席はセダンなどと同じように快適性が確保されているので、座り心地もよい。

 シャトルはまた、前型フィットをもとに開発されており、走行安定性が高く、ハイブリッド車を選べば静粛性にも優れる。上質な乗用車としての走りや乗り心地と、荷室の使い勝手の多様性を兼ね備えた、貴重な5ナンバーステーションワゴンだ。そうしたことが、販売にも表れているといえるだろう。

 現行のシャトルは、2015年の発売で6年目となるが、3月の販売実績は2041台で、38位に位置する。多いとはいえない数字かもしれないが、月に2000台を超えていれば、確かな需要があるとみていいのではないか。

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