■マイナーゆえに安価だとしたら……レアで安いなんて超オイシイ!!
そんなキャデラックの欧州車チックな高年式モデルは、欧州車愛好家にもよく売れているようだ。
『シボレーさいたま南』の国際認定シルバーセールス、大石祐蔵さんによれば、
「長らくアメリカ車を乗り継いでおられるお客様だけでなく、BMWやメルセデスなどからATSに乗り替えられるお客様も多いですね。クルマとしての出来が欧州勢に匹敵しているというだけでなく、その『ありがちではない』という点を大きな魅力に思っていただけているようです」とのこと。
さもありなんである。キャデラックATSやCTSのシブくてレアなたたずまいに「おっ?」と思ったのは、筆者だけではなかったのである。
とはいえキャデラックは、日本では比較的マイナーな存在だ。まあまあ売れてるとはいえ、中古車の流通量はBMWやメルセデスの同クラスと比べればはるかに少ない。
だが……マイナーであるがゆえに、中古車の相場は欧州勢よりも若干お安いのではないだろうか?
そして、それでいてオーラはBMWやメルセデスに匹敵するというか、希少性というアドバンテージを加えて考えれば「欧州勢以上!」とも言えるゆえ、これはもう注目するしかないのでは?
……などと考えながらキャデラックATSおよびCTSの中古車相場を調べ、それと欧州勢同クラスの相場とを比較してみることにした。
■キャデラック ATSの中古相場と欧州勢との比較
まずはキャデラック ATSである。
キャデラック ATSは、日本では2012年11月に発売された全長4680mm×全幅1805mmのスポーツセダン。キャデラックならではのエッジが利いたフォルムが魅力で、日本仕様の搭載エンジンは最高出力276psの2L直4ターボ。
新車時価格は439万~499万円で、ちょうど先代BMW 3シリーズの320iとバッティングするニュアンスの一台だ。
で、そんなATSのハイパフォーマンス版が「キャデラック ATS-V」で、こちらは最高出力470psの3.6L V6ツインターボなので、メルセデスAMG C63やBMWの先代M3セダンに近いと言える。
で、それらの中古車相場は現在、下記のとおりとなっている。
あれ……? キャデラック ATS、あんまり安くはないな……ということでより詳しくチェックしてみると、状況はおおむね以下のとおりであった。
●先代320iとATSでは、そもそも中古車の流通量がまったく違う(320i=360台、ATS=23台)
●先代320iは数が多い分だけ過走行車も多く、それが相場の下限を大きく下げている。
●ATSに多い「走行3万km前後」の物件同士で比べると、上表ほどの価格差にはならない。
とはいえ先代320iは「流通数がやたらと多いゆえに平均価格が下がっている」という現象が起きているため、ほぼ同条件であってもキャデラックATSより若干安価であるケースが多い。
となると、キャデラックATSの中古車とは「値段の安さゆえに選ぶもの」ではなく、「その希少性やカタチ、走りにホレた人間が買うべきクルマ」ということになる。
そして、「同年式・同条件の先代BMW 320iよりもかなり高い」ということは決してないため、「ATSの存在感にホレたなら買いでしょ!」というのを、ひとまずの結論としたい。
ちなみにハイパフォーマンス版であるATS-Vの中古車は、競合であるメルセデスAMG C63や先代BMW M3セダンの類似条件車より100万~200万円以上は安い場合が多いため、こちらに関しては「値段ゆえに選ぶ」という考え方もアリだ。
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