■日本でこれだけ愛されるカングーの魅力とは
初代、2代目とも、日本市場では人気車といっていいカングー。いったいこのクルマの魅力は何なのか? といえば、“プロユースの機材感”にあるのだと思う。分類上はMPVであり定員こそ5名だが、居住スペースは天地左右とも実に豊かで、スライドドアからの乗り降りもしやすい。
さらに何といってもダブルバックドア(2代目は左右非対称。ストッパーを外して180度まで大きく開けることもできる)を開けたラゲッジスペースは、コマーシャルカーの血を引くだけあり床が低くスペースも広いから、何でも積み込める。
つまり実用車であり、コテンパンに使いこなせるクルマであるということ。で、ならば数ある国産のミニバン、ハイトワゴンを選べばいいのだが、決して味気ないだけの実用車で終わらせないのがカングーだ。
国産車とはひと味違ったフランスの実用車ならではの粋なデザイン、センスが楽しめ、さらには心地よく安定した乗り心地などが味わえ、乗って、知ってしまうと病みつきになることは確か。使いやすいだけでなく“使い心地のよいクルマであること”が、カングーをひと言で表した時の魅力、という訳だ。
■新型カングーの日本導入時期は?
その一方で、ご存知のとおり新型カングーは本国では今年3月に発表済みで、欧州では6月から生産開始という。
となると気になるのは日本市場へはいつやってくるのか? だが、現状は「実際の導入は2022年に入ってからになると思うが、詳しいことはまだ何も決まっていない」(ルノー・ジャポン)らしい。
カングーはグローバルに展開するモデルのひとつだが、目下のコロナ禍で市場ごとの導入計画も立てづらい面もあるはずだが、日本に新型が上陸するのはまだ少し先のようだ。
公表されている新型だが、ボディサイズは現行型よりまた少し大きくなる。
本国仕様の数字をそのままご紹介すると、全長4486mm×全幅1919mm×全高1838mmとなっており、現行モデルに対し全長+206mm、全幅+89mm、全高+28mm、ホイールベースは2716mmだから現行+16mmだ。
他方でおおいに気になるのは、カングーとは別に“エクスプレス”なるモデルの用意もあるということ。しかもこちらは、新型カングーよりひとまわりボディサイズが小さい。参考までに記しておくと全長4394mm×全幅1775mm×全高1804~1890mm、ホイールベース2812mm。
さすがに初代カングーよりは大きいものの、現行カングーと較べると全長は114mm長いが、全幅は何と55mm小さいことになる(新型同士だとカングーより144mmも小さい)。反対にホイールベースは新型カングーより96mm長く、いかにも室内スペースを重視した狙いであることも読み取れる。
スタイリングは新型カングーが立派なメッキのグリルや、B、Cピラーに加飾パネルを使うなどしてサイドウインドゥのグラフィックを前から後ろまで連続させて、(あくまで広報写真での個人的な判断ながら)日本のミニバンから目を移しても違和感がない印象。
一方でエクスプレスは、フロント回りがいくぶんか簡素で、ハイルーフ化したボディは、フロントドアも専用のようで、スライドドア以降もシンプルなコマーシャルバン的な、ちょうど日産NV200のようなデザインにまとめられている。
さらにダブルバックドアも採用されているようだ。ちなみにこのエクスプレスにも乗用と商用の両タイプの用意があるという。
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