■ルノー車はコンパクトなクラスで強みを発揮
日本では輸入車というと、フォルクスワーゲン、メルセデス、BMW、アウディなどが上位に入ってくるが、EUではフォルクスワーゲンに次いでルノーが入ってくるのだ。
その理由だが、ルーテシアが属しているBセグメントというカテゴリーがある。実は冒頭のプレスリリースでもわかるように、ルノールーテシアは、Bセグメントでトップを取っている。
この、セグメントというのは、いくつかの分け方の違いがあることを知っているだろうか?
セグメントというのは欧州でのカテゴリー分けになる。クルマの大きさで分類しているのだが、基準はボディ全長。
Aセグメントは3750mm以下、Bセグメントは3750~4150mm、Cセグメントは4150~4400mmという具合だ。Aセグはミニカー、Bセグはスモールカー、Cセグはミディアムカーとも呼ばれている。
これが英国ではAセグはマイクロカー/バブルカー、Bセグはシティカー/スーパーミニ。Cセグはスモールファミリーカーになる。さらにアメリカではホイールベースを基準にマイクロカー、サブコンパクトカー、コンパクトカー、ミッドサイズカーというようになる。
この表示でもわかるようにルノーがトップなのはBセグメントでのこと。ゴルフはCセグメントなのだ。それにしてもなぜフランス車がドイツでも売れているのだろうか。
■Bセグより小さなクラスではフランス車に一日の長あり
現地の人たちに取材をしたり、調査してみると、確かにドイツでもルノー車は売れていた。
ドイツでも若いファミリーなど30代以下の人たちは、収入も多くないので、購入するクルマも大きなクルマや高額なクルマは買えない。メルセデスベンツ、BMW、アウディもB、Cセグメントのクルマはあるが、価格は安くはない。
そこでフォルクスワーゲンやフォード、オペルなどが購入リストにあがってくる。ここにルノーやプジョーなどのフランス勢も入るのだ。なかでもルーテシアは室内サイズ、装備、デザイン、価格などのバランスがとれていることで、評価が高いのだ。
フォルクス ワーゲンポロ、フォード フィエスタ、オペル アダムといったドイツ車やフランスのプジョー208よりも人気があることになる。
ドイツ車は上からCセグメントまではかろうじて世界でもトップレベルのクルマづくりができるのだが、その下のクラスとなると、フランス勢のほうが一日の長がある。
パリなどのように狭い道と駐車スペースのない街で育ってきたクルマづくりや、燃費に厳しいフランス人の間で育ってきたフランス車は特にBセグメントでは強い存在なのだ。
■ルーテシアが欧州Bセグで8年連続トップ! の裏に日産の存在がある
ルノーは2ボックスのファミリーカーだけでなく、欧州でも人気のあるSUVもキャプチャーのようなBセグメントで、人気を集めている。
欧州でも絶対的な存在と思われているドイツ車だが、セグメントによっては不得手とするカテゴリーがある。それがコンパクトカーよりも小さいスモールカー、Bセグメント。ルノーは8年連続でルーテシアがトップを獲得している。
なぜ8年前から欧州でトップのクルマになったのか? その陰には日産からの技術的アドバイスを受けていたことは間違いないようだ。実際に日産からの技術者がルノーに滞在していたのは事実なのだ。キャプチャーも然り。
ルノー躍進の裏に日産の協力があったのだ。
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