現行GT-Rはあまりに不憫
かつては国内レースを中心に、圧倒的な強さを誇っていたGT-Rだが、ここ数年は、国内最大の活躍の場であるはずのスーパーGTにおいて、ファンが期待する「強さ」はほとんど見られない。
日産の業績不振や、コロナ禍によるテスト不足など、不運が重なっていることも影響しているだろうが、他車チームのマシンと比べて、GT-R NISMOは明らかに型遅れのベースマシンで戦わされているように見える。
特に、2020年シーズンからはクラス1規定(サスペンションパーツなどに指定された共通パーツを使うルール)となったことで、ベースマシンのボディ形状からくる空力性能の差が、如実にタイムに影響するようになった(もちろんエンジンパフォーマンスも重要だが)。
GRスープラ勢やNSX勢と比べて、GT-R勢は箱車的な上屋形状のため、空気抵抗が大きい。旧世代のデザインコンセプトのままで戦う日産のレースチームが不憫でならない。
GT-Rは、レースシーンで圧倒的な速さを見せつけ、勝利することで、「日産の技術力の高さ」を伝える「イメージリーダー」であるはずだ。「遅く弱いGT-R」では、憧れを抱くはずもなく、技術力の高さなどアピールできるはずもない。
おそらく日産は、日産が誇るもうひとつのスポーツカー、フェアレディZの新型ベースのGT500マシンに置き換えようとしている(※2022年シーズンのGT500マシンは、新型フェアレディZになるというのが筆者予測)のだろう。しかし、そうなると、「GT-Rの存在意義」は当然薄れていく。
「第3世代のGT-R」はこれで終了とするのか、それとも新規開発で規制対応するのか、その選択によって日産の今後は大きく変わってくるだろう。
コメント
コメントの使い方