2020年7月にタイで世界初登場した、トヨタのクロスオーバーSUV「カローラクロス」。タイを皮切りに導入国を拡大していくと発表されており、日本導入も間近とされている。本誌ベストカーの掴んだ情報によると、発表発売は今秋、10月下旬頃とのことだ。
ヤリスクロスが依然として絶好調ななか、このカローラクロスまで登場とは、国産ライバルメーカーとしては、驚異でしかない。
しかしながら、いくらトヨタであっても、これだけ充実したSUVラインアップがあるなかで、カローラクロスも大ヒットさせる、というのは至難の業であるように思う。はたしてトヨタはこのカローラクロスも、RAV4やハリアー、ヤリスクロスやライズのように大成功させることができるのだろうか。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA
【画像ギャラリー】日本導入も秒読みか!? カローラクロスの全貌をチェック!!
サイズはC-HRとRAV4のちょうど中間
カローラクロスは、TNGA(GA-C)プラットフォームで、パワートレインは、1.8L直4エンジン+モーターのハイブリッド(リダクション機構付きTHS II)と、1.8L直4ダイナミックフォースエンジン(140ps/18.1kgm)の2本立てで、トランスミッションは、ハイブリッドが電気式無段階変速機、ガソリンがCVTとなる。と、ここまでは、日本で販売されているカローラと同じだ。
リアサスペンションは、他のカローラシリーズがダブルウィッシュボーン式を採用しているのに対し、トーションビーム式となる。これによって、リアサスペンションの張り出しを抑え、広い居住空間とクラストップレベルのラゲージスペースを実現している、とのこと。
またタイ仕様のラインアップはFFのみであり、4WDについては発表されていない。カローラクロスはSUVに求められる「積載性」を優先し、同じくSUVに求められる「走破性」は、二の次としたようだ。
ボディサイズは、4460×1825×1620(全長×全幅×全高)mm、ホイールベースは2640mm。C-HRが4360×1795×1550mm、RAV4が4600×1855×1685mmであるので、カローラクロスは、ちょうどC-HRとRAV4の間を埋めるサイズということになる。
カローラ兄弟の中では、カローラツーリング(4495×1745×1460)と全長はほぼ同じで、全幅が80mm広く、背が160mm高い、というサイズ感だ。ちなみに、新型ヴェゼル(4330×1790×1590)よりも全体的に大きい。
価格は、タイ価格で、ハイブリッドが1,019,000~1,199,000バーツ(約358~421万円)、ガソリンが989,000バーツ(約347万円)となる。
タイでは、ヤリスが549,000バーツ(約192万円)、C-HRハイブリッドが1,069,000バーツ(約375万円)、と、日本市場の値付よりも60~70万円ほど高めになるため、国内仕様でのカローラクロスは、ガソリン仕様が270万円~、ハイブリッド仕様は290万円~、といったところになるだろう。
日本に導入されるカローラクロスは、おそらくタイで生産したものを日本へ輸入、というかたちとなると思われ、これ以上のコストダウンは難しいのではないか、と筆者はみている。
だがこの価格だと、C-HRガソリン2WD(241万円)よりもはるかに高く、RAV4ガソリン2WD(274万円)とほぼ同じ価格帯だ。サイズも車格も上で、贅沢なリアマルチリンクのRAV4(カローラクロスは簡素なリアトーションビーム式)とでは、いかに新鮮味のあるデザインであっても、RAV4を選ぶ方のほうが多いだろう。
コメント
コメントの使い方