運転歴が長い人だと、クルマに乗る際には「1日1回始業前点検が必要」と習った記憶があるだろう(しなくても罰則がないため、どのくらいの人がしているは微妙なところだが)。
しかし、始業前点検はクルマの進歩によるメンテナンスフリー化が進んだためもあるのか、いつの間にか日常点検に名称が変わり、頻度もバスやタクシー、トラックといった営業車以外の一般のクルマに限って毎日はしなくてもいいことになっている。
当記事では日常点検の項目を紹介し、日常点検を行う適切な頻度も考えてみた。
文/永田恵一
写真/AdobeStock(トビラ写真=metamorworks@AdobeStock)
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■日常点検の項目と理想的な頻度
日常点検を行う頻度は特に定められていないが、自動車整備振興会では「長距離ドライブの前や洗車後を含めた、1ヶ月に1回」と提唱している。
日常点検の項目を挙げ、筆者が考える理想的な頻度を項目ごとに考えてみると
■車内(機関部)の点検
●エンジンルーム関係
1)ブレーキ液の量 週1回
エンジンルームのバルクヘッド(キャビンとの隔壁)の運転席側にあるブレーキ液のリザーバータンクを見て、液量が上限ラインと下限ラインの間にあるかを確認。
液量が下限ラインを下回っている際には安易に補充せず、プロに見てもらおう。また、ブレーキ液は車検ごとに交換していれば問題があることはほとんどないが、汚れの方も確認しておきたい。
2)冷却水の量 週1回
位置はクルマによって異なるが(いずれにしても見やすいところにある)、冷却水のリザーバータンクを見て、液量が上限ラインと下限ラインの間にあるかを確認。冷却水の量が下限ラインに近いか下限ラインを下回っている際には上限ラインまで補充が必要だ。
3)エンジンオイルの量 週1回
エンジンオイルのレベルゲージを抜いて一度拭き取り、レベルゲージを奥まで差し込み、再度抜き取ってオイルの量を確認。ゲージの先端に付いている2本のラインか、ギザギザの形状となった目印の中間にオイルがあればOK。
ゲージの下限ラインよりオイルが下側にあるときは補充、汚れがひどいときも交換が必要だ。また、エンジンオイルの量が「オイル交換していないのに増えている」という場合は、エンジンオイルにガソリンが混じる希釈という現象が起きている可能性が考えられる。
エンジンオイルの希釈現象はエンジンオイルの性能を低下させるので、この際にもエンジンオイルの交換を考えた方がいいだろう。
4)バッテリー液の量 月1回
バッテリー液の量が上限と下限の間にあるかを、クルマを揺らすなどして確認。なお、バッテリー液の補充が不要なメンテナンスフリーバッテリーが付いている場合にはインジゲーターのランプで、バッテリーの状態を確認しておこう。
5)ウィンドウウォッシャーの量 二週間に1回
量を確認し、少ない場合には上限まで補充。ウィンドウウォッシャーの量の確認方法はクルマによって異なるので、取扱い説明書を見ておきたい。
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