魅惑の極悪燃費車中古車編:R32型スカイラインGT-R
■10モード燃費:7.0km/L 最高出力280ps/最大トルク36.0kgm
17年間の空白期間があったスカイラインのフラッグシップとなるGT-Rは、1989年登場のR32型8代目モデルで復活した。
スカイライン自体がこのモデルでスカイラインらしいスポーツ性を取り戻したこともあり、GT-Rは当時のツーリングカーレース制覇を目的にRB26DETT+アテーサE-TSというパワートレーン搭載するなど、日本最強の座に君臨。
またツーリングカーレースでは目標通りとなるほぼ負けなしの大活躍だったほか、チューニングカーのベース車としても大人気を集めた。
燃費はハイパワーなことに加え、大きなリアスポイラーによる空気抵抗の大きさもあり、極悪ではあったが、当時はさほど気にされなかった。
また、RB26DETT+アテーサE-TSはR33型、R34型と三世代に渡って搭載され、280馬力という最高出力は変わらなかったものの、R33型では最大トルク37.5kgm、10・15モード燃費8.1km/L、R34型では最大トルク40.0kgm、10・15モード燃費8.1km/Lと、動力性能と燃費を同時に向上していった点は評価できる。
原稿執筆時点で48台が流通していた中古車価格は400万円から1000万円も超えるものも数台という具合で、新車価格並みの450万円から600万円が中心だ。
またスカイラインGT-RはR34型が約1200万円からともう手が届かない存在だが、R33型の中古車価格はR32型と同等なので、向上した性能や年式などを考慮すればお得といえばお得だ。
魅惑の極悪燃費車中古車編:アルシオーネSVX
■10モード燃費:7.0km/L 最高出力240ps/最大トルク31.5kgm
1991年登場のアルシオーネSVXは登場時期やフラッグシップとなるラグジュアリークーペである点など、ユーノスコスモに近いところもあるモデルだ。
アルシオーネSVXはフル4シーターのラグジュアリークーペで、ジウジアーロによるエレガントな内外装のデザイン、3.3リッターフラット6+4WDによる全天候型という点など、今見ても色褪せない個性を備えていることが最大の魅力だ。
燃費は当時のスバル車のコンピュータによるエンジンマネージメントの悪さや、3.3リッターフラット6がレガシィに搭載されていた2.2リッターフラット4に2気筒追加した成り立ちだったため、エンジンのストロークが短く低速トルクが細いなどの原因により、極悪だった。
中古車価格は原稿執筆時点で26台が流通しており、100万円から200万円が中心を中心に69万円から788万円(走行327km)の幅で、好みに合うならネオクラシックの日本車として狙い目かもしれない。
魅惑の極悪燃費車中古車編:2代目センチュリー
■10・15モード燃費:7.2km/L(前期の4速AT)、JC08モード燃費:7.6km/L(後期の6速AT)、最高出力280ps/最大トルク46.9kgm
主に専門の運転手さんがハンドルを握るショーファーカーとして1997年から20年間生産された2代目センチュリーの魅力は乗せてもらうなら静粛性をはじめとした快適性、運転するなら日本車史上おそらく最初で最後になるであろう5リッターV12エンジンなど、モノとして見るなら塗装に代表される工芸品のようなズバ抜けた各部のクオリティである。
筆者は前期型の2代目センチュリーに1年半ほど乗っていたが、V12エンジンは「直6エンジンをさらに静かかつスムースにし、アイドリング+αの低回転域から図太いトルクを加えた」というフィーリングで、日本では2代目センチュリーでしか味わえない世界だった。また、自分のものにしたからこそ得られたことが多かったのも印象的だった。
原稿執筆時点で81台が流通している中古車価格は、この種のクルマはボディサイズや維持費など「もらっても困る」というところがあるのも事実のため、40万円台から、100万円までと200万円までが3分の1ずつ、200万円を超えると走行距離がセンチュリーとしては少ない10万km以下か年式が2012年式以降になるといった具合だ。必要性はともかく、1000万円を超える新車価格などを考えれば、安いといえば安い。
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