■「100周年」に向けたプロジェクト
マツダはロータリーエンジンを諦めていない。
その証拠に、マツダは2007年秋の東京モーターショーに新設計となる800ccの2ローター・ロータリーエンジンを搭載する「大気」を参考出品した。2015年秋に開催された第44回東京モーターショーには「RX-VISION」を展示している。
このスタイリッシュな新世代スポーツクーペは、世界中に衝撃を与えた。また、それより前に、燃やせば水だけが残る、地球に優しい水素を燃料とする水素ロータリーも試作している。このシステムにモーターを加えたハイブリッド車も製作した。
2020年以降、世界中が地球の温暖化をストップさせるためにCO2規制を強化する。電動化は時代の流れだ。
が、RX-VISIONをモーターショーに出品したことから分かるように、マツダはロータリーエンジンをあきらめたわけではないのである。
東京オリンピックが開催される2020年は、マツダにとって創業100年となる節目の年だ。当然、記念の年に発表する、世界中がアッと驚くサプライズカーを用意しているはずである。走りの愉しさにこだわるマツダにもっともふさわしいのは、これまでの100年を振り返り懐かしむためのモデルではなく、次の100年に向かう新世代のロータリーエンジンを搭載した美しいスポーツクーペだ。
そうなると当然、排ガス対策と燃費がネックになる。
が、モーターを使ってアシストする電動化技術や熱効率を高めたスカイアクティブRなどを使ってクリーン化と燃費向上を図り、世界が驚くスポーツカーを出してほしい。
もちろん、ロータリーエンジンにモーターを組み合わせたレンジエクステンダーという手法もありだろう。軽量コンパクトなロータリーエンジンを発電機として使い、航続距離を伸ばすのである。振動が少なく、静かなロータリーエンジンなら実現可能だ。
レンジエクステンダーも魅力的だが、ロータリーエンジンはスポーツカーに積んでこそ似合う。RX-VISIONのようなピュアスポーツカーが登場すれば、マツダは日本のアストンマーチンになれるのである。
走りの愉しさにこだわってきたマツダの熱狂的なファンは、次世代のロータリーエンジンを積んだフラッグシップスポーツの復活を心待ちしているのだ。記念すべき2020年に向けて、ぜひともRX-7、RX-8に続くロータリーエンジン搭載のスポーツカーを出して欲しい。
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