BMW330iセダン M Sport
今度はセグメントも変えてBMWの330i セダン M Sportの内外価格差を見てみよう。図太いトルクを低回転域から生み出す2リッター直4ターボエンジンを搭載、伝統の3シリーズの中でもBMWのエンジンが好きな人にはたまらないモデルだ。
日本での車両本体価格は655万円。それにMスポーツディファレンシャル、アダプティブMサスペンション、バリアブル・スポーツ・ステアリングがセットとなった走りを重視したファスト・トラック・パッケージ(28万9000円)、快適装備パッケージのコンフォート・パッケージ(12万8000円)、レザーシートを選択できるハイライン・パッケージ(20万5000円)をつけると税込み727万2000円。
こちらも最新の日本初の3眼カメラによる運転支援パッケージからスポーティーな19インチのアルミホイールからのぞくブルーのブレーキキャリパー、アダプティブMサスペンション、スポーツステアリング、本革シートまで、BMWを選ぶ人を様々な面で満足させそうな全部盛り。
ドイツ本国のHPのコンフィギュレーターでほぼほぼ同様の装備に仕上げると出来上がりは約6万1000ユーロ、日本円にして約816万円だった。日本価格の727万円から12%、およそ90万円高い。アメリカでの価格は約689万円。日本価格から5%ほど安い。
消費税・付加価値税除いたベースでも日本での約634万円に対してドイツでは約686万円、8%ほど高い。アメリカでの価格は626万円、これは日本とほぼ変わらないという結果となった。
メルセデス・ベンツだけではなくBMWも間接税の税率の影響を除いてもドイツ本国で買うより日本で買ったほうが安いということになる。メルセデス・ベンツよりもBMWのほうが日米欧での価格差が小さいが、ドイツ>日本>アメリカという順番は変わらなかった。
ポルシェ911 GT3
ドイツ車の最後は2022年にデリバリーされるポルシェ911GT3を見てみよう。今のGT3にはクルーズコントロールやバックカメラ付きパーキングアシスト、音声コントロールなどの快適仕様が標準装備となっている。今回は素のGT3の価格を日米欧で比べてみる。
日本でのプライスタグは税込みで2296万円。
税込みベースだと日本とドイツで価格はほぼ変わらず、アメリカは14%、300万円以上安い。税抜きで見てみると今度は一番高いのは日本でドイツが7%、アメリカが13%ほど安くなる。これはメルセデス・ベンツやBMWになかった傾向だ。
シボレー コルベット 3LTクーペ
ではドイツ車だけでなくアメリカ車も見ていこう。アメリカの誇るスーパースポーツ、シボレーコルベット。現行モデルは8代目、通称C8。
歴史あるコルベットの伝統だったFRレイアウトをかなぐり捨ててミッドシップレイアウトとなり欧州のライバルと引けを取らない走りとアグレッシブなデザインで話題が沸騰。
アメリカで好調なセールス成績を収めるか、と思ったところにコロナ禍が来てしまい年間販売予定台数2万台には届かなかった。それでもこの502馬力を発生する6153cc、V8のスポーツカーを年間2万台売ろうというのはすごい。
日本で買うことのできるクローズドボディの最高級レンジがクーペ3LT。Bremboの4ピストンモノブロックキャリパー、マグネティックライドコントロール、フロントハイトリフターからバケットシート、Boseアクティブノイズキャンセレーション付きサウンドシステム、携帯電話のワイヤレスチャージなど、レーシーな性能とGTの豪華装備のすべてがここにある。
そのクーペ3LTの日本でのお値段は1400万円(消費税込み、その他の税・諸費用抜き)。正確な見積もりではないが乗り出し価格は1430万円程度か。
そして同等仕様のものをアメリカで買うと税抜きで94,345ドル。約1038万円となる。アメリカは州によって、また州の中でも郡が異なると間接税率が違うケースもあるが登録費用込みでざっくり10%程度なので乗り出し価格は1140万円程度。
ドイツ車と異なり日本の乗り出し価格約1430万円に対し、現地乗り出し価格が290万円安く、日本価格の上乗せ幅は約25%にもなる。これだと並行輸入業者の活躍の出番もありそうだ。
ちなみに日本に並行輸入する際、自動車の輸入関税はゼロ。海外で支払った付加価値税は海外から日本に輸出される時点で払い戻され、日本国内に入った段階で日本の消費税と環境性能割、その他諸費用がかかる。
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