■自己最高位の7番グリッドからスタート!!
決勝は、マクラーレンのノリスのペナルティもあり、角田選手は最高位の7番グリッドからのスタートとなりました。ファンにとっては心躍る展開です。
スターティンググリッドを見ると、ポールポジションは前回に引き続きフェラーリのルクレール、2番手がメルセデスのハミルトン、3番手がレッドブルのフェルスタッペンです。
いよいよグリーンフラッグが振られ、レーススタート!角田選手は、スタート直後にアルピーヌのアロンソにオーバーテイクされ、8番手に後退。フェラーリは、思いのほかレースペースが良くないようで、ハミルトンがルクレールをオーバーテイクしてトップに立ちます。
その後もルクレールはずるずると後退し、ハミルトン、フェルスタッペン、ペレスの3人がレースをリードしていく展開になりました。
先に動いたのは、ハミルトンです。12周目でピットインし、ハードタイヤに交換。フェルスタッペンも猛プッシュしつつ、次の周にピットインしました。レッドブルの素早いピット作業にも助けられ、ピットアウト後には、ハミルトンの前へ出てオーバーカットすることに成功!
その後、ペレスもオーバーカットに成功し、レッドブルが実質1、2位を独占します。角田選手は、ハードタイヤに交換した後も8番手を守りながら走行。タイヤ交換後は、ほぼ順位は変わらずレースは推移していきました。
流れが変わったのは、31周目。アストンマーティンのストロールが、ホームストレート上で突然のバースト喫し、そのままクラッシュしてしまいました。まさかこのクラッシュが最後の大波乱のきっかけだったとは誰も思わなかったことでしょう……。
再スタート時に多少の順位変動はあったものの、トップ集団は変わらずフェルスタッペンが率いています。フェルスタッペンは、その後も2番手以降をぐんぐん引き離し、32周しているハードタイヤでファステストタイムを叩き出すなど、「このまま優勝できる!」と確信するほど、力強い走りを見せています。
レッドブルにとっては何もかもが順調に思えたその時。黄旗が振られたかと思うと、ホームストレートの映像が大写しになりました。そこにはデブリがバラバラに散らばった路面と、クラッシュしたであろう、紺色のマシンが。
「フェルスタッペンだ……!」
絶望的な気持ちで映像に見入りました。レースも残り4周というところで、まさかのバースト。レッドブルチームからFIAに対して「予兆のないバーストだったので、全車両タイヤ交換をした方がいいのではないか」と無線が飛びます。
それもあってか、ストロールのクラッシュ時とは違い、赤旗が出て、全車ピットインすることになりました。
■残り2周からレース再開!! 最後の超スプリントを制したのは!?
マシンとデブリの回収で、しばらくレースは中断。レースは残すところ、あと2周。「このまま赤旗終了かな?」と思いつつ、フェルスタッペンのクラッシュのショックが大きく、まだ受け入れられない状態です。
現時点では、1位ペレス、2位ハミルトン。前回のモナコGP終了時点では、フェルスタッペンがドライバーズランキング1位でしたが、このままアゼルバイジャンGPが終了すれば、ハミルトンに1位を奪還された上に、ポイントも大きく離されてしまいます。
「チャンピオンになるためには、この差は大きすぎる……」意気消沈していると、レースを再開するというアナウンスが。
正直、「やるの?!」と驚きました。ストロールとフェルスタッペンが同じようにバーストしたのを見て、嫌な予感が続いていたからです。全車タイヤ交換したものの、「何かまた起きたらどうしよう」という不安が募ります。
一方で、各チームとドライバーは、やる気満々の様子。どのチームも、2周の超スプリントレースのチャンスを活かし、「ひとつでも順位を上げてやろう」という思いのようです。
再び全車グリッドに整列し、緊迫した空気のなか、再スタートが切られます。シグナルがブラックアウトすると、2番手のハミルトンが良いスタートダッシュを見せました。1番手にいたペレスも、何とかハミルトンを押さえようと、1コーナーに飛び込む際、ブレーキングを遅らせて対抗します。
すると、次の瞬間、さらなるレイトブレーキングを狙ったハミルトンが、完全にブレーキをロックさせ、白煙を上げながらコースオフしたではありませんか!
ハミルトンは、最もミスが少ないドライバーとして知られていますが、今シーズンは追い詰められて精彩を欠くシーンが見受けられます。そのままハミルトンは、15番手まで転落。ポイント圏外まで追いやられてしまいました。
上位で混乱が起きるなか、角田選手に目を向けると、6位から再スタートしていたのが、若手のなかでも勢いのあるノリスと、2度タイトルを獲得しているアロンソにオーバーテイクを許した様子。
角田選手は、そのまま7位でチェッカー受けました。まずは、初戦以来、ポイントを獲得できたことに歓喜!ここまでうまく噛み合わないレースが続いていましたが、これをきっかけに角田選手らしい走りを取り戻してくれたらいいなと感じました。
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