2020年度はミニに次ぐ販売台数を記録するなど、近年売れゆきが好調で人気輸入車の1台になっているメルセデス・ベンツAクラス。
ベンツといえばSクラスをはじめとした高級車メーカーであり、そのエントリーモデルとなっているのがAクラス。そして、価格は367万円から用意されている最も安いベンツでもあるわけだが、そんなAクラスでもちゃんとドイツを代表する高級ブランドのベンツらしさを味わうことはできるのか?
そもそも「ベンツらしさって何なのか?」という疑問も含めて、モータージャーナリストの御堀直嗣氏が解説する。
文/御堀直嗣
写真/Daimler AG、ベストカー編集部
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■先代モデルからさらに磨きがかかった現行Aクラス
メルセデス・ベンツでもっとも小さなAクラスで、メルセデス・ベンツらしさは感じられるのか?
その素朴な質問に、YESと即答できる。
Aクラスは、1997年に初代が誕生した。2代目までは、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)に備えた車体構造をもっていた。床を二重構造とし、そこにバッテリーや燃料電池スタックを挟み込むように車載できるようにしていた。
2012年の3代目から、競合といえるフォルクスワーゲン ゴルフやBMW1シリーズなどと同じような、標準的な小型ハッチバック車へ様変わりした。その時点で、試乗したAクラスは284万円で買えた。
現在の4代目は、もっとも廉価なA180で362万からとなるが、それでも身近なメルセデス・ベンツであることに変わりない。
2012年の3代目Aクラスで実感したのは、内外装の質の高さ、走行中の的確な運転感覚、高速域での優れた直進安定性などである。それが現行の4代目となって、いっそう磨きがかかった。一見したところ、3代目とさほど大きく変わっていないように思えたが、内外装の質はさらに高まり、プレミアムブランドとして疑いのない仕立てである。
運転者の操作のとおり走る的確な手応えにも変わりなく、速度を上げていった時の落ち着きある安定感は盤石の信頼をもたらす。快適性も一段と高まり、ことに静粛性では前後の席で会話を楽しませた。
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