Sクラスを頂点とするクルマ作りを展開するベンツ。Aクラスはもっともベーシックなモデルとなるわけだが、ぶっちゃけ廉価版なの? それが違うことは、ベンツの企業哲学に照らしてみるとよくわかる。それは「最善」であることのなのだ
初代Aクラス。ベンツ初のFF車だ。「ベンツのFF」を象徴すべく従来車にない車両構造を採用も、重心が高くなり、急ハンドル操作時に転倒しやすい事が発売後に判明。即リコールとAクラスは最初から順風満帆というわけではなかった
3代目にして大幅に変化したAクラス。ルックスからもベンツの線上に乗ったものになった
「最善か無か」はベンツ創業以来の企業スローガンである。最古の自動車メーカーとしての自負と自信がその言葉に表れている。常に最先端であっても他社にはない安心感がベンツにはある
Sクラスにはベンツ最上級車というステータスがあるが、意外にドライバーズカーとしての扱いやすさも兼ね備えている。全シリーズに一貫して「実用車」の側面があるのだ
現行A180。先代よりもさらに小型化された1.4Lターボエンジンを搭載。同一骨格で400馬力オーバーモデルまでラインナップするため、当然シャシーが勝るしっかりとした走りを生み出している
4代目は3代目のスタイリッシュさを継承しつつ、視認性を向上させるため、A~Ⅽピラーのスリム化を実施。このような気遣いが単に「高級車」を標榜しているのではなく、実用性も重視するベンツらしさの表われだ
現行Aクラスのインパネ。メーターとナビ画面が一体となった大型ディスプレイが目を引く。マジか? と思ったそのデザインがいまやトレンドに。これも「最善」を極めた結果、ライバルが追いかける構図となったのだろう
Cクラスの前身である190Eも小さなSクラスを思わせるクオリティを誇った。全ての車に同じクオリティを提供する他社には無い一貫したポリシーは、今のAクラスにも反映されている