■まずは内装を比較してみる
まず新型ゴルフをじっくり見てみよう。ライト周りを含めより直線的なラインを感じるエクステリアはスッキリ感が強い。Cd値は0.725へと進化している。
AmazonのアレクサやAppleのSiriのような音声認識+操作システムが進化。デジタルコクピットと呼ばれる10+8.25インチのタッチ&スライド式ディスプレー。一気に世界観を変えるようなインテリアのデザインは素晴らしく、欧州車の先進性に思わず嫉妬してしまう。
使い勝手という部分では慣れは必要だがステアリングスイッチからの操作でもわかりやすい使用感。上級モデルではスイッチ類を撫でるようにタッチするだけでも操作できる。
プラットフォームは継承なのでインテリアやラゲッジのスペース感に大きな差はないが、後席のシートはリッチ感が増している。
コクピットに関してはマツダ3とインプレッサスポーツの国産2車はこの点とてもアナログ。ただし使い勝手は直感的で中高齢者向け。この点カローラスポーツは近代的で、ディスプレーオーディオ(オプション2万8600円)を装着すれば9インチ6スピーカーとなりゴルフに準じるが、標準だと7インチ4スピーカーだ。
後席シートでは国産3社ともしっかりした仕様で、特にマツダ3のリアシートは背もたれとクッション性でゴルフよりもリッチに感じた。
ラゲッジスペースはゴルフも国産3車もこれなら充分と納得できるもの。マツダ3が狭いのでは? との予想があったがまったく問題ないレベルだ。
■4車それぞれの個性が光る動力性能
では動力性能。やはりゴルフeTSI Activeの48Vマイルドハイブリッドを採用した1.0L 3気筒ターボエンジンは注目。エンジンを始動してみて、まず驚くのが室内でのメカニカル振動の少なさ。先入観さえなければ3気筒エンジンとはわからない。
そこでエンジンフードを開けてみると、4気筒エンジンに比べて明らかに振動している3気筒があった。しかし、分厚いゴム質のエンジンマウントがその振動をしっかり吸収している。経年劣化して交換する時は高そうだが、凄いパーツである。
いわゆるオルタネーター(発電機)を駆動とスターターにもなるモーターに置き換えたベルト駆動の48Vマイルドハイブリットが装備されたエンジン出力は110ps/200Nm。これに7速DSGが接続される。
圧巻だったのはこの48Vマイルドハイブリッドによるコースティング機能。停止寸前やアクセルオフでのエンジン停止が頻繁に起こり、燃料を節約している。またアイドリングストップからの再始動も、この音無しスターターよって瞬間にエンジンに火が入る。
では動力性能を国産ライバル3車と比較しよう。
インプレッサSTI Sportは2.0L 4気筒のNAで154ps/196Nmを発揮し、トランスミッションはCVT。もう一台のマツダ3 1.8XD Lパッケージはディーゼルで130ps/270Nmという性能で6速AT。カローラスポーツは1.8Lハイブリッドで98ps/142Nm+72ps/163Nm(モーター)である。
発進加速で力強いのはマツダ3のディーゼル。1600rpm時に270Nmの最大トルクはやはり快適。とはいえゴルフは200Nmを1500rpmで発生し、しかも48Vのアシストもありそれほど劣るものではない。
ただ、30km/hあたりからマツダ3はグングン加速する。ゴルフは3000rpmを超えると力強さが増し1.0Lとは思えない加速が始まる。
インプレッサは出だしがそれほど非力には感じなく満遍なくスムーズに加速する印象だが、高回転、高速になるほど真価を発揮するエンジン特性。3車それぞれに加速の個性があって興味深い。
カローラスポーツはトヨタハイブリッド独特の加速感でアクセル全開にすればそれなりに速いが速度に比例しないエンジン音の上昇が気になるといえば気になる。ただし燃費は30.0km/L(WLTC)であり、燃料もレギュラーガソリンなのでやはりフルハイブリッドは経済的。
マツダ3のディーゼルはカローラスポーツほどの燃費は出ないが軽油は安い。
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