VW新型ゴルフと国産ライバル車との実力差は? 価格を考慮するとどうなのか?


■4車それぞれの個性が光る動力性能

 では動力性能。やはりゴルフeTSI Activeの48Vマイルドハイブリッドを採用した1.0L 3気筒ターボエンジンは注目。エンジンを始動してみて、まず驚くのが室内でのメカニカル振動の少なさ。先入観さえなければ3気筒エンジンとはわからない。

新型ゴルフ8搭載の直列3気筒 1LターボDLA型エンジン。48Vマイルドハイブリッドにより低速トルク補助、静粛性、低燃費を実現

 そこでエンジンフードを開けてみると、4気筒エンジンに比べて明らかに振動している3気筒があった。しかし、分厚いゴム質のエンジンマウントがその振動をしっかり吸収している。経年劣化して交換する時は高そうだが、凄いパーツである。

 いわゆるオルタネーター(発電機)を駆動とスターターにもなるモーターに置き換えたベルト駆動の48Vマイルドハイブリットが装備されたエンジン出力は110ps/200Nm。これに7速DSGが接続される。

 圧巻だったのはこの48Vマイルドハイブリッドによるコースティング機能。停止寸前やアクセルオフでのエンジン停止が頻繁に起こり、燃料を節約している。またアイドリングストップからの再始動も、この音無しスターターよって瞬間にエンジンに火が入る。

 では動力性能を国産ライバル3車と比較しよう。

 インプレッサSTI Sportは2.0L 4気筒のNAで154ps/196Nmを発揮し、トランスミッションはCVT。もう一台のマツダ3 1.8XD Lパッケージはディーゼルで130ps/270Nmという性能で6速AT。カローラスポーツは1.8Lハイブリッドで98ps/142Nm+72ps/163Nm(モーター)である。

 発進加速で力強いのはマツダ3のディーゼル。1600rpm時に270Nmの最大トルクはやはり快適。とはいえゴルフは200Nmを1500rpmで発生し、しかも48Vのアシストもありそれほど劣るものではない。

マツダ3 ファストバック 1.8XD Lパッケージ。このクルマの魅力は何といってもデザイン、ファストバックはシンプルながら印象的でエレガント

 ただ、30km/hあたりからマツダ3はグングン加速する。ゴルフは3000rpmを超えると力強さが増し1.0Lとは思えない加速が始まる。

 インプレッサは出だしがそれほど非力には感じなく満遍なくスムーズに加速する印象だが、高回転、高速になるほど真価を発揮するエンジン特性。3車それぞれに加速の個性があって興味深い。

スバル インプレッサスポーツ STI Sport。動力性能と燃費は他車に劣るが、高い操安性に見切りのよさとアイサイトの安全性が魅力の1台

 カローラスポーツはトヨタハイブリッド独特の加速感でアクセル全開にすればそれなりに速いが速度に比例しないエンジン音の上昇が気になるといえば気になる。ただし燃費は30.0km/L(WLTC)であり、燃料もレギュラーガソリンなのでやはりフルハイブリッドは経済的。

 マツダ3のディーゼルはカローラスポーツほどの燃費は出ないが軽油は安い。

■乗り心地と走行性能はどうか?

 では乗り心地。ゴルフとマツダ3はリアサスが左右が繋がったトーションビーム式。インプレッサとカローラスポーツは左右セパレートの高価なWウィシュボーン式だ。

 インプレッサは4輪のサスが独立して路面の凸凹を吸収。カローラスポーツも路面からの初期入力をソフトに吸収。サスが硬いのはマツダ3で、叩くような初期のタップ感は強いが、凸凹通過時などのホイールの動きを一発で収束させる、尾を引かない乗り心地。これが好きな人もいると思う。

 ゴルフはその中間だが、どちらかといえばインプレッサに近いコンフォート系。ただしここで注目すべきは国産2車は18インチタイヤ(マツダ3:45%扁平/インプレッサ:40%扁平)に対してゴルフとカローラスポーツは16インチ(55%扁平)だったこと。

 ただ室内の静粛性のよさはゴルフだ。3気筒の振動を巧みに抑え込み、走行ノイズが低く0.275に進化したCd値のせいか高速でもストレスがない。それに準じるのがカローラスポーツといったところ。

 ゴルフはADAS(運転支援)機能が強化され210km/hまでACCが使えるという。速度無制限のドイツならではだが、インプレッサは135km/hまで、マツダ3はそれ以上可能。カローラスポーツはLTA(レーントレーシング)を採用したトヨタセーフティーセンスを装備。

 とはいえ日本の高速道路の最高速度は120km/hまでだからこれは4車互角である。LKAS(レーンキープ=車線内中央維持)にも大きな差はなかった。

 また、新型ゴルフは路車間/車車間通信の未来安全規格といえるCar2Xを標準装備するなど先進安全へのいち早い対応は高評価だ。だがしかしこの機能、日本では規格も異なり使えないと予想されている。

 ではまとめてみよう。先進性を含めてやはりCセグハッチバックのトーナメントリーダーはやはり新型ゴルフだろう。ただしコストパフォーマンスという意味ではエントリーモデルで300万円を超えている点は考慮する点が大いにある。

CセグメントFFハッチバックの王道を行くVWゴルフ。1974年のデビュー以来、多くの自動車ジャーナリストから高い評価を得ているだけにさすがの作り込み

 すると、発売からすでに2年を経て古い感じがあるのは捨てきれないカローラスポーツだが、コストパフォーマンスとフルハイブリッドの圧倒的な燃費はなかなかのアドバンテージを持つ。

 Wウィッシュボーン式リアサスペンションはストローク感のあるホイールトラベルによって、乗り心地などは新型ゴルフと互角以上の勝負をしている。トヨタさん、広報車が再度貸し出されたらもう一度しっかりと乗り比べてみたいです。

2018年にデビューしたトヨタ カローラスポーツ(写真のグレードは1.8ハイブリッドG)。全幅1790mmの3ナンバー化で運動性能をアップ、元気のいい1.2Lターボモデルも用意する。さらに来年夏ごろに300ps・4WDのGRモデルも発売予定

【画像ギャラリー】新型ゴルフ8と国産スポーツハッチバック3車種の魅力を写真でチェック!!

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