2022年3月末に幕を閉じるホンダS660など、わずかひと世代のみで生産終了となったモデルというと、スポーツカーばかり注目される。しかしファミリーカーとして定着したミニバンでもひと世代のみで幕を閉じたモデルはたくさんある。
そこで、今回は、他のミニバンとは一線を画した、キラリと光るポイントのあるミニバン3モデルの中古車事情について紹介したい。
いずれも目のつけどころは非常によかったし、根強いファンもいるのだけど、アルファードやセレナにはなれなかったモデルたちである。
文/萩原文博
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■大人7人がしっかり乗れるエクシーガ
日本国内市場で、3列シートモデルがなかなかヒットしないスバル。
そのスバルが“7シーターパノラマツーリング”というコンセプトで、スバルがこれまで培ってきたワゴン造りのノウハウを活かし、7人までしっかり乗れる高い居住性と開放感あふれる室内空間を実現したモデルが、2008年6月に登場したエクシーガだ。
インプレッサをベースとしているが、大人7人がしっかりと乗れる十分な室内空間と「ドライバーの思い通りに走れる素直な操縦安定性」と「しなやかで上質な乗り心地」を両立した、走りの良いミニバンが謳い文句だった。
その証拠に、最上級グレードの2.0GTには最高出力225psを発生する2L水平対向4気筒DOHCターボエンジンを搭載。また、サスペンション形式はフロントがストラット、リアはダブルウィッシュボーンを採用。
さらに、新開発のクロスメンバー、スタビライザーなどにより、優れたステアリング応答性を実現している。
そんなエクシーガに、スバルのワークスブランドであるSTIが手がけたコンプリートカーが設定されている。それが2009年10月に限定300台で販売された2.0GT チューンドバイSTI。
そして、2012年7月にこちらも限定300台で販売されたエクシーガtS(ティーエス)だ。どちらもターボエンジンを搭載した2.0GTをベースに、専用サスペンションやフレキシブルタワーバー、フレキシブルロアアームバーなどを採用し、シャシーやボディのトータルチューニングを施すことで、路面追従性を高め、しなやかな乗り心地としっかり感のある乗り味を両立させている。
また外観には、STI製フロントアンダースポイラーやSTI製17インチアルミホイールなどを採用し、上質なスポーティ感を演出。インテリアは、アルカンターラとレザーを組み合わせた専用シート、STIロゴ入りの専用メーターなどを採用するほか、インテリアをブラック色で統一し精悍なイメージを強調し、ファミリー色を打ち消しているのが特長だ。
合計600台が販売されたエクシーガ チューンドバイSTI&tSだが、現在中古車として流通しているのは約5台。
そのうち、3台がチューンドバイSTI、2台がtSとなっている。価格帯はクッキリと分かれていて、チューンドバイSTIは約69.8万~約109.8万円。そしてtSは約149.8万~約197.8万円となっている。現在、エクシーガ全体の平均価格が約47万円となっていることを考えると、STIが手がけた2種類のエクシーガは高値安定が続いている。
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