「魔法の空気ばね」なぜ高級車で採用増? エアサスの進化と実情

現在の代表的なエアサス装着車は?

高級セダンとして極上の乗り心地が求められるトヨタの現行型センチュリーもエアサスを採用
高級セダンとして極上の乗り心地が求められるトヨタの現行型センチュリーもエアサスを採用

 現在、エアサスを装着している主な新車は以下のとおり。

【トヨタ】
センチュリー、ランドクルーザープラド(リアのみ)、ノア・ヴォクシー・エスクァイア(車椅子対応スロープ仕様車のリア)

【レクサス】
LS、LX

【メルセデスベンツ】
Eクラス、Sクラス、マイバッハSクラス、C&E&Sクーペ、CLS、GLC、GLE、GLS、EQC(リア)、AMG GT4ドアクーペなど

【BMW】
5シリーズツーリング、7シリーズ、X5、X7など

【アウディ】
A8、Q7、Q8など

【ポルシェ】
パナメーラ、マカン、カイエンなど

【ランドローバー】
ディスカバリー、ディフェンダー、レンジローバーヴェラール、レンジローバースポーツ、レンジローバー

【ボルボ】
XC60、V90(リア)、V90クロスカントリー(リア)、XC90など

 このように、昔は日本車が多く、輸入車には少なかったイメージのエアサス装着車だが、現在は信頼性と耐久性の向上もあり、特に輸入車で増加する形で、総合的に見るとエアサス装着車は増えている印象だ。

エアサスは今後も増えるのか

こちらもエアサスを採用しているメルセデスベンツの新型Sクラス(全長5180×全幅1920×全高1505mm/ホイールベース3105mm)
こちらもエアサスを採用しているメルセデスベンツの新型Sクラス(全長5180×全幅1920×全高1505mm/ホイールベース3105mm)

 エアサス装着車の傾向としては、やはり高価な装備だけに、価格で言えば1000万円近くからのプレミアムブランドに多く、そのなかで前述のメリットが生きるラグジュアリーセダン、ステーションワゴン(リアのみが多いのは荷物をたくさん積んだ際に車高を保つ意味も大きい)、SUVがよく装着している。

 また、エアサス装着車はメルセデスと比較するとBMWでは少ないなど、そのブランドのキャラクターや方針が見えるのも面白い。いずれにしても輸入車を中心とした1000万円近くからの高額車でのエアサスの装着は、今後も増えていくだろう。

 なお、昔からアフターパーツのエアサスを装着したり、「エアサスが故障したので、そのクルマに普通のサスペンションがあればそちらに交換する」といった例もあるが、スプリングの形式は1台の市販車でコイルとエアサスがあればクルマ自体の型式が異なるくらい重要なものだ。

 そのため、普通のサスペンションからエアサス、エアサスから普通のサスペンションとする場合には、車検証上の構造変更や記載変更も必要なので、この点も覚えておきたい。

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