■鉄道ファンの間で注目された「後藤デフ」とは??
デフレクター(除煙板)とは、SLの煙突付近の左右に装備された板のようなものの部分のことだ。
SLの動く蒸気機関は、石炭を燃やすことでボイラー内の水を沸騰させ、そこで生じる圧力で車輪を回している。石炭を燃やす工程では大量の煙が発生するため、SL全盛期だった時代には、燃焼効率を高めるため、発生した煙をいかに効率的に後方へ排煙させるかが追求された。
つまり、燃費ならぬ煙費をよくするものだったのだ。形状は、機関区ごとに試験がなされ、それぞれ独自の形状となった。
今回、D51-498に装備されたデフレクターは、中国地方にある後藤工場(現在の後藤総合車両所)の名前をとって、「後藤デフ」と呼ばれている。他にも、門司鉄道管理局の「門デフ」や、長野工場の「長工デフ」などが存在した。
これらのデフは下半分が大きく切られているということもあり、除煙性能を維持しつつ、通常のデフレクターでは隠れている部分の点検をしやすくしたりする目的もあったそうだ。
■9月に東北でD51が走る!
そんなD51-498牽引の観光列車に乗る機会だが、群馬県内を走るSLみなかみは、過酷な暑さの夏に運行がない。
そんな中、JR東日本から9月18日、19日に陸羽東線で運行することが発表された。これはJRの観光キャンペーン「東北デスティネーションキャンペーン」にちなんだもので、「SL東北DC陸羽東線号」として鳴子温泉〜小牛田間で運行される。
SLは復路のみの運行で、鳴子温泉から小牛田行きの列車はD51-498が先頭での運行だ。なお、小牛田発鳴子温泉行きではDE10形ディーゼル機関車が先頭、D51 498が最後尾となる。陸羽東線での出張運転は実に11年ぶり。後藤式デフレクターも装備されたままなのかも気になるところだ。
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