■鈴木氏・清水氏スイセン 現行ディーゼル名機ベスト3
●鈴木直也スイセン
1位はベンツの直6ディーゼル(OM654)ですね。あのトルクと静粛性、そして滑らかな回転フィールにはとろけます。それを搭載する車種から、最もお似合いと思えるG400dを選びました。1251万円は決して安くないけど(笑)、その価値はあるでしょう。
2位 マツダのディーゼルは、本当は2.2Lがいいんだけど、庶民の味方という意味では、CX-30の1.8XD。スタイリッシュだし、2WDなら300万円ちょいという価格が魅力です。
3位 BMWは自分も乗ってるので、やっぱしお薦め。贅沢は言いません。FFになった118d(2.0L)でけっこうです。385万円からなのでお値段も手頃。
●清水草一スイセン
私の1位はシトロエン・ベルランゴ。さすがおフランスとしか言いようのない、猛烈にオシャレなファミリーカーで、1.5Lディーゼルが超ドンピシャ! ふんわりした乗り味をトルクたっぷりのディーゼルで走らせるのは超カイカン! 317万円という価格は超お買い得!
2位はマツダのCX-5。やっぱり1.5や1.8と比べると、2.2Lのトルクはステージが違う。デザインもステキだし、値段だって299万円からだし。
3位、私の愛車の後継モデル、BMWの現行320dですね。先代型より音が静かになって、もはやガソリン車との区別が真剣に難しくなった。ADASも進化してるし、真剣に欲しいです。
■ディーゼルの「明日はどっちだ?」
●鈴木直也の意見
ディーゼルほど世間様からいじめ抜かれた内燃機関はない!
やれ、ガラガラ音がウルサイとか、馬力がないとか、黒煙モクモクとか、NOX出しまくりとか、生まれてこのかた文句言われっぱなし。
対談でも語られてるけど、日本では石原都知事がペットボトルに入ったススをぶちまけて規制強化を主張したことで、存続を危ぶまれる瀬戸際すらあった。
しかし、それでもディーゼルは生き残ってきた。
ターボや高圧コモンレール直噴で馬力とドライバビリティを改善し、パティキュレートフィルターや尿素SCRで排ガスをクリーン化。現代のクリーンディーゼルは、トヨタハイブリッド並みの燃費効率と優れたドライバビリティを両立させている。
これほどまでの手間暇をかけてディーゼルを改良してきたのは、そのエネルギー効率の高さに魅力があるから。
また、原油を100L精製すればガソリンが約25L、軽油が約20L、勝手に出てきてしまうわけで、この軽油を活用するにはディーゼルが不可欠だからなのだ。
だから、今度のカーボンニュートラルを理由とした「イジメ」も、ディーゼルはなんとか乗り切ってくれると信じている。
●清水草一の意見
現在の乗用クリーンディーゼルは、ガソリンエンジンよりも先に、この世から消えるだろう。理由はディーゼルの本場たるヨーロッパでの需要の急減にある。
需要が減っていくものに、大きな開発コストはかけられない。となれば、いずれ見捨てられ、消えていくことになるでしょう。
現在はまだ欧州で3割のシェアがあるけれど、排ガス規制の強化によって、ドライバビリティは徐々に悪化の方向にある。
体感性能としては、不正ソフトを積んでいたVWのディーゼルが頂点だった。イタリアでレンタカーで乗ったのですが、あれは本当にメチャメチャよかった。
2年前、ついに日本にもVWのディーゼルが正規導入されたけど、ドライバビリティの悪化にビックリ。不正ソフトってものすごい力があったんだね……。
つまり、5年前から現在あたりまでのディーゼルが、史上最高のディーゼルエンジンと言えるのではないか。クルマ好きなら、今こそそれを手に入れるべきだ! ディーゼルエンジンは丈夫だから、10年、20年乗れるはず! 地の果てまで走り尽くして燃え尽きれば悔いはない!
20年後、「昔のディーゼルってスゲエ!」と感嘆されるかもしれないし。ビバ! ディーゼル。
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