■フォード系/クライスラー系
■マーキュリー(フォード系)
マーキュリーはフォードと高級ブランドのリンカーンの中間となる、GMのポンティアックにイメージが近いブランドとして1938年に設立。
マーキュリーは「フォードより全体的にちょっと高級」というトヨタのレクサスやホンダのアキュラにもそういったものがある手法で1990年代までは好調だった。
しかし、2000年代に入るとフォード社内で中途半端な存在となるなど、低迷し始め、2010年に姿を消した。
●クーガー(1968年)…ポンティアックトランザムに相当するマスタングの上級モデルで、悪っぽい雰囲気も特徴。
●セーブル(1992年)…フォードにとって重要なラージセダンのトーラスの上級版で、日本でも販売されワゴンが人気。
●グランドマーキー(2005年)…フルサイズセダンのフォードクラウンビクトリアのマーキュリー版で、歴代全モデルがFRだった。
■プリムス(クライスラー系)
GMのシボレーに近い、クライスラーにおけるエントリーカーを担当するブランドとして1928年に設立。好調なスタートを切ったが、1960年代にはクライスラー社内でのダッジブランドとのバッティング、1970年代前半の好調など浮き沈みが激しく、業績は低迷するいっぽう。
1990年代終盤に復活のチャンスがあったものの、社内事情もあり最後のチャンスを生かすことができず、2002年に消滅した。
●ロードランナー(1964年)…「3000ドルで買えて、ゼロヨン加速が14秒」というわかりやすいマッスルカー。
●ダスター(1970年)…実用車のヴァリアントをベースにした3ドアファストバックのスペシャルティカー。
●プローラー(2000年)…サイクルフェンダーを持つなど往年のホッドロッドを思わせるモデルだが、短命に終わった。
■イーグル(クライスラー系)
ブランド名は後述するアメリカンモーターズ(以下AMC)をクライスラーが買収した際にあったイーグルというモデルに由来し、1988年に設立された。
当初はAMC時代のモデルもあったが、イーグルのラインナップは設立から最後まで既存のクライスラー車のバッジ違いがほとんどだったこともあり、パッとせず。1990年代後半から段階的にモデルが廃止され、1999年にイーグルブランドは消滅。
●プレミア(1990年)…AMCがルノー傘下時代に開発されたルノー25ベースのラージセダンゆえ、アメ車っぽくない。
●タロン(1995年)…三菱エクリプス、プリムスレーザーのバッジエンジニアリングとなるスペシャルティカー。
●ビジョン(1993年)…イーグルとして唯一のオリジナルモデルとなるラージセダンで、日本でも販売された。
■トヨタ系/少量生産系
■トヨタ系(サイオン)
サイオンはトヨタが北米における若年層の人口増加に着目し、2003年に設立したライトな性格を持つブランドだ。その意味ではGMのジオに近いところもあり、販売はトヨタディーラー敷地内の別店舗で行われた。
初代bBとカローラルミオンの北米仕様となるxBやイストを北米仕様としたxAとxDなども販売し、ある時期までは順調に販売を増やしていた。しかし2010年代に入るとトヨタとのバッティングなどもあり販売が落ち始め、2016年にブランドは消滅。サイオンのラインナップは車名を変えるなどしてトヨタブランドに移行している。
●tC(2008年)…セリカの後継車となるFFのスペシャルティカー。86の存在もあり、後継車は存在しない。
●FR-S(2012年)…86の北米仕様で、日本仕様との主な違いは装備内容だけだ。現在は86に車名を変えている。
●iA(2016年)…マツダのメキシコ工場で生産されるマツダ2セダンのOEM。内外装をトヨタの雰囲気にしたモデルだが、現在は絶版。
●iM(2016年)…2代目オーリスの北米仕様。サイオン消滅後はカローラハッチバックに車名が変わった。
■デロリアン(少量生産系)
デロリアンモーターカンパニー(DMC)はGMで副社長まで務めたジョン・デロリアン氏が「理想のクルマを作る」という夢実現のため、GM退職後の1975年に設立したメーカーである。
体制は本社がアメリカミシガン州、工場はアイルランドというものだった。最初で最後のモデルとなったDMC-12は登場翌年の販売不振やデロリアン氏がコカイン所持容疑で逮捕されるなどのスキャンダルに巻き込まれたこともあり(すべて無罪ではあったが)、1982年に倒産。デロリアン氏も再びクルマを作ることないまま、2005年にこの世を去った。
●DMC-12(1981年)…PRVのV6エンジンをリアに搭載し、ガルウイングドアを持つ一種のスーパーカー。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のタイムマシンのベースとなったことで有名。
■モスラー(少量生産系)
モスラーはウォーレン・モスラー氏が興したコンスライアー・インダストリーズの自動車部門が分社化された、主にスーパーカーを作るブランド。モスラーはイントルーダーやMT900というモデルを作ったが、2013年にアメリカの小さなスーパーカーを作るメーカーのロシオン・オートモティブに買収される形でブランドは消滅。しかし、消滅したモスラーの意思や技術はロシオン・オートモティブに引き継がれている。
●MT900(2003年)…カーボン製シャーシにGM製のV8エンジンを搭載したミドシップレイアウトのスーパーカー。
コメント
コメントの使い方マーキュリーコロニーパーク四代目を免許取った後に中古で買った人です!
リトラクタブルヘッドライト(?)のワゴンはあまりなく、当時日本ではアメ車が少なかったこともあり友達にいつも「これなに?ベンツ?」って訊かれて「マーキュリーって言うアメ車よ」って答えるのが日常でした。今でもガレージに居て、たまに走らせてます。大好き。お気に入りのドライビングシューズは破れたけど。