古きよきアメリカの象徴 消えたアメ車メーカー&ブランド

古きよきアメリカの象徴 消えたアメ車メーカー&ブランド

 世界一の自動車大国として長きにわたり君臨してきたアメリカ。ビッグ3が有名だが、かつてはビッグ3以外にも、多くのメーカー&ブランドが存在していたのである。

 すでに消滅してしまったが、忘れるには惜しいそれらのメーカー&ブランドたち。本企画ではそれを見て回りたい。

※本稿は2021年5月のものです
文/永田恵一 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年6月26日号

【画像ギャラリー】当時の広告・ポスターなども掲載! 消えたアメ車ブランドをギャラリーでチェック!


■GM系

■ポンティアック(GM系)

 まず頭に置きたいのが、GM自体がブランドの集合体ということである。ポンティアックは1926年にGM傘下のオークランド・モーター・カンパニーの派生ブランドとして設立し、後にGMの1ブランドとなった。ポジションは大衆向けのシボレーの若干上で、スポーティなイメージを持つといったところだった。

 しかし、1970年代を絶頂期に1980年代までは好調だったのだが、1990年代に入り日本車の影響などもあり、徐々に低迷。2000年代に入るとシボレーとの差別化が難しくなったのに加え、GMの経営不振で、2010年度限りでブランド廃止。

●フィエロ(1985年)…初代MR2と同時期に登場した、V6エンジンを搭載するなどしたライトなMRスポーツ。

フィエロ(ポンティアック/1985年)
フィエロ(ポンティアック/1985年)

●ファイヤーバードトランザム(1976年)…マスタングのライバルとなるカマロの兄弟車で、トランザムはその最上級グレードだった。

ファイヤーバードトランザム(ポンティアック/1976年)
ファイヤーバードトランザム(ポンティアック/1976年)

●グランダム(1992年)…3代目からFFのミドルクラスカーとなり、4代目は日本でも比較的安く販売された。

グランダム(ポンティアック/1992年)
グランダム(ポンティアック/1992年)

●バイブ(2002年)…トヨタのヴォルツ、マトリックスと3兄弟を形成したNUMMI製ミドルクロスオーバーとして販売。

バイブ(ポンティアック/2002年)
バイブ(ポンティアック/2002年)

■オールズモビル(GM系)

 1897年設立のオールズ・モーター・ビークル・カンパニーは1908年にGMに買収され、GM2番目のブランドとなった。ポジションとしてはポンティアックと上級ブランドのビュイックの間、中の上といったイメージで、当初は先進的なモデルも持っていた。

 しかし、1980年代以降ビュイックなどとのGM社内での差別化が難しくなり、2004年に一部の車種をビュイックに残す形でオールズモビルは消滅した。

●トロネード(1966年)…初代モデルはキャデラックエルドラドと関係のある2ドアクーペで、徐々に小型された。アメリカンなデザインがナイス。

トロネード(オールズモビル/1966年)
トロネード(オールズモビル/1966年)

●カスタムクルーザー(1979年)…アメ車らしい大型ステーションワゴンだったが、最後の3代目モデルは短命に終わった。

カスタムクルーザー(オールズモビル/1979年)
カスタムクルーザー(オールズモビル/1979年)

●オーロラ(2000年)…V8エンジンを搭載するフルサイズセダンだったが、洗練が仇となり最後の2代目は短命だった。

オーロラ(オールズモビル/2000年)
オーロラ(オールズモビル/2000年)

■ジオ(GM系)

 アメリカにおいてGMは1980年代後半まで、エントリーモデルとなる低価格帯のモデルはスズキカルタスやいすゞジェミニといった提携関係のあったメーカーのものでカバーしていたが、それを1989年にブランドとし、シボレーディーラー内で売っていたのがジオである。

 しかし、ジオもGM社内でのバッティングなどの問題もあり、トラッカー(スズキエスクード)を最後に2004年にブランドが消滅した。

●ストーム(1991年)…3代目ジェミニの3ドアハッチバックと日本ではヤナセが販売したPAネロのアメリカ仕様モデルだ。

ストーム(ジオ/1991年)
ストーム(ジオ/1991年)

■サターン(GM系)

 サターンはオイルショック以後、日本車に受けた打撃に危機感を覚えたGMが工場を新設してまで1985年に設立したブランドである。サターンの大きな特徴は販売方法で、ディーラーではなくリテーラーと称し、公平なワンプライス販売、売りて側からは声を掛けないといったことを実践(これは日本でも同様)。

 1997~2001年の4年で日本から撤退、GM社内でも差別化が難しくなり、2010年にブランドが消滅した。

●メトロセダン(1995年)…同時期のスズキカルタスとはエクステリアデザインや衝突安全性、ボディ剛性など、微妙に異なっていた。

メトロセダン(サターン/1995年)
メトロセダン(サターン/1995年)

●メトロ3ドア(1995年)…エンジンは1L、3気筒と1.3L、4気筒を搭載し、後継車は韓国の大字(現韓国GM)のアベオだった。

メトロ3ドア(サターン/1995年)
メトロ3ドア(サターン/1995年)

●Sシリーズ(1991年)…セダン、ワゴン、クーペをラインナップ。独自の販売方法などにより初代モデルは北米で大ヒットしたが、日本では苦戦。

Sシリーズ(サターン/1991年)
Sシリーズ(サターン/1991年)

●オーラ(2006年)…Lシリーズ後継となるラージセダンで、プラットフォームは当時のオペルベクトラと共通。

Sシリーズ(サターン/2006年)
Sシリーズ(サターン/2006年)

●ビュー(2008年)…シボレーキャプティバスポーツ、オペルアンタラなどの兄弟車のミドルSUVでハイブリッドも設定。

ビュー(サターン/2008年)
ビュー(サターン/2008年)

次ページは : ■フォード系/クライスラー系

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!