■ディスクメディアは無くなるのか?
結論から言うと、まだまだ無くならない。主流は前述したメディアに移行しつつも、CDなどのメディアは高い年齢層には支持されている。
一方でクルマという熱や振動などの厳しい環境下で機械的にメカであるディスクドライブは耐久性なども考慮して非常に頑丈に作られている。言い換えればこれが無くなれば大幅なコストダウンを図ることもできるのである。
この他にもスマホ側にカーオーディオと連携できるアプリをインストールすることで音楽再生における多彩なコントロール、例えばスマホの画面上で詳細な楽曲データの表示、さらに細かな音質面の調整なども行えるものも増えてきている。
また現在国内で販売されているのは「カロッツェリア(パイオニア)」と「ケンウッド(JVCケンウッド)」が市場のほとんどを占有していることも覚えておきたい。
これらからも侮ることができない実力を持った「カーオーディオ」が1万円台で手に入れることができるなんて、考え方によっては本当に幸せな時代なのかもしれない。
■厳選!! 高コスパ1DINオーディオ
◆1万円以下で買える究極高コスパモデル
カロッツェリア MVH-3600
オープン価格(実勢市場価格:8500円)
いきなり最初からインパクト大!なのがこのモデル。何と言っても本体価格が1万円以下というのが最大の魅力だ。
もちろん、このモデルにはBluetoothもCDドライブも搭載されていない。だからこその1万円以下なのだが、中身に関してはなかなかの実力派だ。
FM補完放送への対応はもちろん、USBや外部入力端子へも別売りのケーブルを使うことで対応。iPhoneはもちろんAndroid携帯、さらにUSBメモリーに収録した楽曲の再生にも対応する(対応ファイルは限られる)。
さらに「気が利いているな」と思ったのが、フロントにあるUSB端子にシャッターを搭載している点だ。
パソコンなどもそうだが、端子類にはホコリやゴミが侵入しやすく、それによる接触不良も多い。ましてや閉鎖空間でもある車内はより環境面でもホコリ等による影響は無視できない。低価格モデルなのにこのような部分をしっかり抑えている点は多くのノウハウを持つオーディオメーカーと言える点だ。
また音質面でも圧縮オーディオをCDに迫る高音質で再生できる「アドバンズド・サウンドレトリバー」の搭載、サブウーファーの接続が可能なシステムアップ用の端子などぬかりはない。
本体の機能を絞っている分、スマホに専用アプリ「Pioneer ARC(アドバンスドリモートコントロール)」をインストールすれば、スマホの画面側から簡単な操作で曲送り/戻し、ソース選択、5バンドだがグラフィックイコライザーの調整も行うことができる。
◆こちらも1万円以下!古いAndroid端末でも音楽が楽しめる
ケンウッド U330MS
オープン価格(実勢市場価格:8000円)
発表自体は2017年8月だが、高い基本性能と何よりも実勢で8000円という価格は大きな魅力だ。
ワイドFMへの対応、フロント右側にスライドカバー付きのUSB&AUX端子を装備、iPhone/iPad、Android端末の音楽再生に対応している。
これはありがたいと思ったのが、少し古めのAndroid端末(OS4.1~7.x)の場合、USB接続しても本体に入っている楽曲データを認識しないケースがある。いわゆる「マスストレージ接続」に対応していないのだが、スマホ側に無料の「KENWOOD Music Play」をインストールすると音楽の再生が可能になる。
また「Drive Change」機能により複数のフォルダに楽曲が入っている場合(具体的には本体メモリとmicroSDカードなど)、簡単にドライブの切り替えが可能になる機能も有している。
この他にも専用のiPodインターフェースケーブル「KCA-iP103」等で接続すると選曲や再生コントロールが本体だけでなく、iPhone/iPod側でできるハンドモードも搭載している。これを使えば運転中に助手席に座っている人が楽曲操作等が行えるので利便性が向上する。
この他にもロードノイズの影響を受けやすい周波数帯を上げることで音楽を聴きやすくする「ドライブイコライザー」、ソースごとの音量差を調整できる「ボリュームオフセット機能」など実際の利用シーンで役立つ機能を搭載する。
◆スマホ連携を徹底的に極めた1台。ナビだけでなく音楽系、メッセージ系アプリも操作可能
カロッツェリア DEH-5600
オープン価格(実勢市場価格:1万7000円前後)
カロッツェリアは前々からスマホとの連携を強化していたが、このモデルも同様に専用アプリ「Pioneer Smart Sync」をインストールすることでスマホアプリを本体のハードキーでダイレクトに起動することができる。
特に対応するアプリの数が豊富で地図系ならば「Yahoo!カーナビ」や「カーナビタイム」、音楽系ならば「Spotify」「radiko.jp」「Amazon Music」、メッセージ系ならば「LINE」「Facebook」などに対応する。
また「Pioneer Smart Sync」にはAmazonの音声サービスである「Amazon Alexa」にも対応しているのでアプリ画面下のアイコンにタップし発話するだけでニュースや音楽のコントロール、また家電をAlexaにリンクさせていれば、家電のコントロールも行えるスゴ技も持っている。
またエントリー機では非搭載だった「Bluetooth」も内蔵することで、ハンズフリー通話にも対応する。通話用マイクも同梱されており、また本体に専用の通話スイッチも装備される。
またiPhoneの場合「Siriアイズフリー機能」にも対応しているので、楽曲だけでなく、アドレス帳の呼び出し→通話を声だけで行えるなど至れり尽くせりの内容だ。
DEH-5600にはCDドライブが搭載されているが、レス仕様となるMVH-5600もラインナップされる。ただ実際の価格差はわずか1000円程度なのでコスパも考えるとDEH-5600をオススメする。
◆Amazon Alexaを搭載。音声操作で情報をコントロールできる
ケンウッド U381BT
オープン価格(実勢市場価格:1万5000円前後)
ホワイト色の文字表示を持つ「U341BT」と2DINモデル「DPX-U750BT」と同時に発売を開始したコスパの高い1DINオーディオが「U381BT」だ。
最大の特徴はAmazonの音声サービスである「Alexa(アレクサ)」に単独で対応している点。外部との接続はBluetooth接続されたスマホが必要だが、本体左下に「Alexa専用ボタン」を搭載、スマホに触れることなく、ボタンをタッチするだけで、同サービスを活用できる。
すでに純正インフォテインメントではAlexaの標準装備化が加速しており、2022年発売開始の日産アリアにも同様の機能が搭載されている。
Alexa自体は非常に敷居の低い音声エージェントであり、Bluetooth搭載スマホがあればログイン後すぐに天気予報や最新ニュース,ストリーミングに対応した音楽も楽しむことができる。
要はカーオーディオ自体はAlexaを動かすためのトリガー(引き金)に過ぎず、ゆえに誰もが簡単に付加価値の高いサービスを享受することができるのである。
基本機能はBluetooth、ワイドFM、またエントリーモデルとして紹介したU330MS同様、「APP&iPod用コントロールハンドモード」も搭載する。
また「U341BT」との最大の違いは13桁1.5行表示を可能にする大型LCDの
採用とバリアブルカラー表示により1000色のカラー調整ができる。
ワンクラス上に位置することもあり、音質面でも「デジタルタイムアライメント」や「13バンド8パターンのグラフィックイコライザー」なども装備。システムアップにも対応しており、低価格で音質にこだわりたい人には魅力的なモデルであることは間違い無い。
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