日産はマーチを諦めるな、コンパクトカー戦国時代に取り残された「名門」

■先代ノートのユーザーの受け皿としてマーチが必要!

強者ぞろいのコンパクトカー市場で存在感を発揮するためにも、100万円台後半のコンパクトカー、つまり新型マーチの投入が必要と筆者は説く
強者ぞろいのコンパクトカー市場で存在感を発揮するためにも、100万円台後半のコンパクトカー、つまり新型マーチの投入が必要と筆者は説く

 日産の現実的な方針は、ノートを日本仕様として開発したから、国内のコンパクトカーはこのノート1車種に任せるというものだ。ノーマルエンジン(純ガソリン仕様)を削った代わりに、上級のノートオーラを加え、トータルでの売れ行きは同等の水準を保つ。

 仮にそれができれば、ノーマルエンジンやCVT(無段変速AT)の開発費用が省かれ、ノートオーラは上級車種だから1台当たりの粗利は増える。ノーマルエンジンの廃止とノートオーラの追加は、日産にとって合理的で、低価格車を求めるユーザーにはデイズとマーチで対応する戦略だ。

 しかしそれを続けたら、日産車を購入するユーザーを狭めてしまう。

 特に今は、冒頭で述べた通りコンパクトカーが従来以上に人気を高めた。ヤリスやフィットのノーマルエンジン車に対抗できる価格を抑えた新型マーチが必要だ。

 ノートにノーマルエンジン車を復活させる方法もあるが、開発者は「現行ノートは先代型よりも高コストだから、ノーマルエンジンとCVTを搭載しても、価格をあまり抑えられない」という。つまりe-POWER専用車になって価格を高めたノートとノートオーラは、低価格のマーチとセットで成り立つ商品なのだ。

 そこを乗り越えないと、日産が国内市場で存在感を取り戻すのは難しい。今の国内販売の順列は、トヨタ、スズキ、ダイハツ、ホンダ、日産というものだが、5位は日産にとって不本意だろう。マーチの動向は、日産の将来にも大きな影響を与えることになる。

【画像ギャラリー】憧れだった…可愛かった… 名門日産マーチの歴史をギャラリーで振り返る

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