フェルスタッペンはリタイア、角田はポイントゲットのF1イギリスGP

■スプリント予選を制したフェルスタッペンがポールポジション

F1史上初のスプリント予選を制してポールポジションを奪取したのはレッドブル・ホンダのフェルスタッペン
F1史上初のスプリント予選を制してポールポジションを奪取したのはレッドブル・ホンダのフェルスタッペン

 そして、いよいよ肝心のスプリント予選が始まります。たった17周のレース、しかもタイヤ交換義務もないため、序盤に上手く順位を上げたドライバーが勝つ可能性が高いです。

 あれだけ白熱した予選の予選でしたが、スプリント予選がスタートすると、フェルスタッペンの蹴り出しが抜群で、あっさりとハミルトンの前に出ます。

 1周目は、またハミルトンがフェルスタッペンに並びかけるシーンもありましたが、競り合いに強いフェルスタッペンはトップを譲ることなく、そのまま1位をキープしてフィニッシュ!

 今のF1マシンは、他車からの乱流のせいで、オーバーテイクが難しく、スプリント予選ではその性質が浮き彫りになったように感じました。

 また、レッドブルのペレスが5周目にスピンしてしまい、一気に18位へ転落。その後、タイヤのバイブレーションが酷かったため、結局リタイヤとなり、決勝はピットスタートになってしまいました。

 ワンミスがここまで影響を及ぼしてしまうのも、今後スプリント予選をするにあたって考慮しないといけない点かもしれません。昨日は鮮やかな予選タイムを叩き出したハミルトンでしたが、スプリントレースのスタートだけでそれが挽回されてしまったことに対して複雑な表情を浮かべていました。

■母国でのグランプリに燃えるメルセデスのハミルトン、しかし……

1周目からデッドヒートを繰り広げたフェルスタッペンとハミルトン。しかし白熱の接戦は1周目の途中で終わってしまった
1周目からデッドヒートを繰り広げたフェルスタッペンとハミルトン。しかし白熱の接戦は1周目の途中で終わってしまった

 若干のもやもやが残る初のスプリント予選。この結果を受けて、決勝で火がついたのが、母国グランプリであるハミルトンです。しかも、このイギリスGPでは、今年初めて満員の観客を受け入れています。

 いつも冷静なハミルトンですが、「決勝では絶対に結果を出さなければ」という熱い思いが滲み出ているように感じられました。

 ハミルトンは、スプリント予選でしてやられたスタートでは、集中力を極限まで高めた蹴り出しを見せ、フェルスタッペンに迫ります。1周目から、どこのコーナーでも並びかけるようなバチバチのバトル! 最初から「お互いここまで攻めるの?!」というギリギリの接近戦を繰り広げます。

 いつもなら、積極的で少しリスクを背負ってでも前に出ようとするフェルタッペンが競り勝って、ハミルトンは後半でストラテジーやタイヤマネジメントで前に出る、という印象があったのですが、どうも様子がおかしいのです。

 激しいバトルは面白いけれど、「どちらも熱くなりすぎているような……」そう思った瞬間、フェルスタッペンの後輪とハミルトンの前輪が接触。そのままフェルスタッペンはすごいスピードでタイヤバリアに突っ込みました。思いがけない大クラッシュに呆然。

 その後、フェルスタッペンは自力でマシンから出ましたが、なんと51Gもの負担が体にかかったため、そのまま病院へ。

 この接触でハミルトンは10秒のペナルティを負うことになりましたが、マシンはどうやら無事の様子。それもあってか、ファンの間では、「ペナルティが軽すぎるのではないか」という声も上がっています。

 しかし、個人的に驚いたのは、クラッシュやペナルティではなく、チャンピオン争いをしている二人が勝利への欲望むき出しで1周目からリスクの高いバトルしたということ。特に、これまでどんな時でも冷静にリスクを避けてきたハミルトンが、こんな風に我を忘れるような戦いをしたことには驚きました。

 それだけ、「レッドブルやフェルスタッペンは、本当にハミルトンを追い込んでいるんだな」と感じたのです。フェルスタッペンがノーポイントになってしまったのはとても残念でしたが、まだまだメルセデスを追い詰める力があることはわかっているので、後半戦にかけても期待しかありません。

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