■のどかな団地前に鎮座するロマンスカーのロンちゃん
次に紹介するのは、小田急線新宿駅から急行で1時間半ほどの開成駅にある、2000年までロマンスカーとして活躍した小田急3100形電車だ。ロマンスカーといえば、新宿、北千住から箱根、御殿場を結ぶ小田急電鉄のフラグシップ特急として有名だ。
当時、箱根への観光がブームとなったことと、1964年に開催される東京オリンピックの開催を見据えて、輸送力を強化する目的で誕生し、初代のSE車から、2代目となる3100形には、NSE(New Super Express)の愛称がつけられた。
そして、引退後は「ロンちゃん」の愛称で開成駅前の開成駅前第二公園に静態保存されている。確かに、個性のある前面の形状にはぴったりな愛称だ。
■各地に存在する保存車両。一方で課題も……
最後に紹介するのは、蒸気機関車の代表格D51蒸気機関車だ。前回の記事では特集したD51だが、国内で1936年〜1950年に最も多く製造された形式ということもあって、引退後に展示されている車両が非常に多い。
東京都内にもいくつかのSLが存在し、地域住民の憩いの場やシンボルとなっている。飛鳥山公園に置いてあるD51-853もその1両だ。
一方で、残念ながら保存車両が解体されるケースも増えてきている。特に、老朽化による安全確保や、維持や管理の問題で解体されるのがほとんどで、最近では、東村山市運動公園のD51が倒壊の恐れがあるとして撤去となった。
また、つい数日前には、遠く離れた大分県日田市に保存されていたED76機関車とブルートレインの客車が解体されたと聞いている。整備をする有志も高齢化している場合が多く、保存車両と地域でのあり方は、今後問われる機会が増えてくるのではないかと思う。
みなさんのお住まいの近所にも眠っている鉄道車両がいるかもしれない。ぜひ、夏休みの自由研究などに地域の鉄道について調べてみてはいかがだろうか?
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