■ガソリンの種類を間違えるとどうなる?
さて、ハイオクガソリン仕様のクルマにレギュラーガソリンを給油、またはその逆を行うと何が起きるのでしょう? まずハイオク仕様にレギュラーガソリンを入れた場合ですが、即座にノッキングを起こしてエンジンが壊れるわけではありません。
現代のエンジンにはノックセンサーというセンサーが付いていて、ノッキングが発生すると点火タイミングを遅らせてノッキングを防止します。出力はダウンしますが、エンジンが壊れるまでに至ることはまずありません。
30年くらい前は粗悪ガソリンといわれるものが存在しましたが、今はほとんど聞くことがなくなりました。一般的に名前が知られたガソリンスタンドで給油する限りは問題ないといえます。ただし、ハイオク仕様にいつもレギュラーガソリンを入れるのは避けたいものです。
さて、ではレギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れるとどうなるでしょうか? 出力が上がるような気がしますが、実は最近のクルマでは何も変わりません。レギュラーガソリンで最高の性能が発揮できるように設計されているため、恩恵を受けることはないのです。
例外的に、距離を走ってエンジンの燃焼室に煤が溜まっているような個体の場合、ハイオク燃料に含まれる洗浄成分によって燃焼室の煤が払われて性能が回復し、性能向上したように感じることもあります。
多くの輸入車はハイオク仕様になっています。とくに欧州車はハイオク仕様のクルマが多いのですが、これには理由があります。
例えばドイツはガソリンが3種類に分けられていて、オクタン価が一番低いものが91、中間が95、一番上が98や100となっています。もっとも低くても91なので日本でオクタン価89や90のレギュラーガソリンだと対応しない可能性があるのです。
そこで安全のため余裕を持ってハイオク仕様になっているというわけです。しかし、この設定はちょっと外国メーカーの怠慢があると私は思っています。
日本の自動車メーカーは、輸出する仕向地に合わせて細かくセッティングを変えて商品性を高めています。輸入車もそうしたセッティング変更を行うべきだと思うのですが、してきません。
これは日本のユーザーが「欧州車だからハイオクはしかたない」という姿勢でいることも輸入車がハイオク仕様のままで入ってくる原因のひとつでしょう。例えば日本のファミリーカーがハイオク指定で海外で売られたら、買ってくれるお客さんは確実に減るでしょう。
■ガソリンはエタノール混合率でさらに種類あり
ちなみに、ガソリンの仕様はけっこう国によって異なります。たとえばタイだとガソリンは純ガソリンとエタノール混合ガソリンの2種があり、それぞれがさらに細分化されています。
E85はエタノール85%、E20はエタノール20%の混合。単純に91と表記されているのはオクタン価91のエタノール10%ガソリン、95はオクタン価95のエタノール10%ガソリンのことです。
バイオエタノール混合なしの純粋なガソリン燃料は一番下の黄色帯のみ。そのほかにディーゼル燃料(軽油)や、天然ガスなども燃料として使われています。
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