■オートエアコンの温度設定は25℃がいい?
例えば設定温度を18℃にすると、その温度までは冷房を続けることになるが、真夏の日なたではどんなに冷房を続けても18℃まで室温が下がることはないから、冷房を強く掛け続けることになる。
一方、25℃あたりに設定しておくと、室温が近づくまでは冷房を強くかけているが、設定温度に達すると風量を弱くするだけでなく、そこから室温が上昇も下降もしないように日射量なども合わせて吹き出す温度を調整する。
家庭用エアコンは設定温度に達すると運転を停止してしまうが、クルマのエアコンは微妙な温度で作動を続けるのだ。クルマのほうが建物より断熱性能が低く、温度変化しやすいことから、この制御は理に適っているが、効率は良くない。
つまり設定温度を現実的な数字にしておくと、冷房だけでなく暖房も使って送り出す空気の温度を調整してしまうから、冷房が無駄になるのだ。
したがって風量を弱くして冷房を続けることが、結果として最も効率良く冷房を使うことになる。
前述の通り、運転中の操作が面倒ならオートエアコンにお任せでもいいが、燃費を考えるなら最低温度に設定して、風量で室内の温度を管理するようにしたほうがいいことになるのだ。
■朝イチ、午後イチで使い方は変わる?
最後にシチュエーション別に効率の良い使い方を考えてみよう。通勤にクルマを使っている場合など、朝にクルマで出掛ける場合、室内はまだ外気温より低かったり、日があたって暖められてもせいぜい30℃程度だろう。
この場合はクルマにすぐに乗り込んで、走りながらエアコンを使って冷やせばいい。内気循環にしなくても、ものの5分で快適な温度湿度の空間になるハズだ。
しかし出先で日なたにクルマを駐車して、再び乗車して出発する場合は、状況がかなり変わってくる。30分も止めていれば、車内の温度は50℃を超える。フロントウインドウにサンシェードを立てるなど、室内温度の上昇を抑える工夫をしても、いずれは50℃近くまで上昇することになる。
猛烈に車内が暑いのであれば、時間が許せばまずは車内の熱い空気を追い出すことだ。左後席の窓を開けて、運転席のドアを4、5回開閉させて室内の熱い空気を追い出す方法もあるが、それだけでは効果は限定的。
スペースに余裕があれば、ドアやリアゲートを開けて、エアコンを外気導入のファン全開にしてエアコンシステム内の冷却と熱い空気の追い出しを図ろう。
早く室内温度を下げるのであれば、走りながら冷房を使ったほうがいい。なぜならアイドリングより、走行していたほうが冷房は強く効く。エンジン回転が上昇してコンプレッサーが多く稼動するだけでなく、走行風でコンデンサーが冷却されて、冷媒の液化が進むからだ。
アイドリングでは冷房のためだけにエンジンを使うので、無駄になるエネルギーも多いから、走行して移動しながら室内を冷やしたほうが燃費にもいい。
しかし50℃近くに熱せられたシートに座って運転するのは不快だから、まずは熱気を追い出して、冷房を直接、座るシートに当てて冷やし、それから出発するのもいい。瞬間冷却スプレーなどの冷却アイテムを使う手もあるが、ガソリンを使うのと同じくコストがかかるので、燃費向上策としてはいまひとつだ。
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