クルマを購入する際に、気になってしまうのは「値引き」ではないだろうか。ここには明確な正解も不正解もなく、ディーラーでの商談時に行われている駆け引きは、ブラックボックス化されている。
「偉い人を出してくれば、値引きも大きくなる」というイメージもあるが、ディーラーでの値引きの実態はどうなっているのだろうか。自動車ディーラーで営業活動に従事していた筆者が、あまり知られていない値引きの実情や、上手く値引きを引き出すコツを解説していこう。
文/佐々木 亘
写真/AdobeStock(トビラ写真=Nomad_Soul@AdobeStock)
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■値引きは青天井ではない! ガイドラインの存在とは?
筆者はトヨタ・レクサスで営業マンを経験してきた。どちらのお店でも、営業マンには、値引きの限度が決められていて、この限度をガイドラインと呼んでいる。
一般的にガイドラインは、車両本体金額の何%、メーカーオプション総額から何%。ディーラーオプション総額から何%を値引きしていいと、項目や車種ごとに細かく数値化されている。販売店によって異なるが、例えば車両本体の値引きは3〜7%程度、あるいは一律に5~10万円までという具合だ。
営業マンは、このガイドライン内であれば、自分の裁量で商談を進めることができる。商談テーブルで、電卓を叩いて調整している値引きだ。
逆に、ガイドラインを超える値引きになる場合は、店長やエリアマネージャーといった、上役から決裁をもらわなければならない。困った顔をしながら、テーブルを離れ、一度事務所に帰っていくときは、決済について相談していることが多いだろう。
こうした線引きを理解し、ユーザーと営業マンが、双方の良い落としどころを探っていくのが、クルマの商談なのである。
■値引き拡大に必要なのは、交渉力より協調力
筆者はディーラーショールームで「もう少し、何とかならない?」とか「もっと頑張ってよ!」という言葉を、毎日のように聞いていた。しかし、営業マンも人間である。頑張る気が起きなければ、頑張れない。
「無理ばっかり言われるし、このお客さんには売らなくてもいいかな」と思って、商談を営業マン側からクローズ(不成立)させることもある。逆に「このお客さんには絶対買ってほしい!」と、店長へ決裁を積極的にお願いすることもあった。
この違いは何か。それは「心地よさ」と「信頼」だと思う。営業マンと顧客の関係は、クルマを販売して終わりではない。特に、営業マン側で考えると、クルマの商談よりも、はるかに長いアフターサービスの時間を、気持ちよく過ごしたいのが営業マンの本音だ。
他社と相見積もりを、何度も取っては比較し、長々と無理難題をぶつけられるのは、誰だって嫌だと思う。そして顧客と対峙し、店長とも対峙する時、営業マンは孤独になる。
できることなら、皆さんには、営業マンの仲間であってほしい。ユーザーと営業マンが協調し、力を合わせれば、結果は後から付いてくるはずだ。
コメント
コメントの使い方値引き交渉した事無いんですよね。。
現金一括で買おうと思ってても、出来ればローン組んで欲しいと言われて組んだりしちゃうし。
担当者から自発的に値引きしときますねと言われた事も無いし。
まぁ、カモだと思われてるのかもだけど他人の顔色を気にしてしまう位なら自分が損してでもスムーズに話が進む方が良いと思ってしまう。