■実績作りを助け、頑張ってしまう営業マンを引き出す
皆さんはクルマを「現金一括」とローン、どちらで買うだろうか。ローンを組むなら「均等払い」と「残価設定型」のどちらを選ぶだろう。また、自動車保険はどこで加入する予定だろうか。「勤務先」や「ネット」か、それとも「ディーラーの保険」を使う人もいるだろう。
支払いや自動車保険などは、一見すると、クルマ購入の損得には関係ないようにも思える項目だ。しかし、これらの選択が損得に少なからず影響している。
実際に、「ローンを組んでくれれば、保険に入ってくれれば〇万円値引きます」という取引はできない。この言い方はコンプライアンスに違反するので、値引きを条件にした勧誘はNGだ。
ただ、先に挙げた支払い方法や自動車保険への加入は、営業マンのテンションを高める。それは、営業マンの多種多様な実績につながっていくからだ。
新車や中古車の販売台数はもちろん、車検や点検の入庫台数、CSの評価、さらには自動車保険の新規加入数や、ローン契約の件数なども立派な実績となる。特に、車両販売以外の項目は、目標達成が難しい反面、評価点も高い。保険やローンの実績が伸びる営業マンは、販売店でも重宝され、出世していくのだ。
つまり、現金一括でクルマを買っていく人よりも、残価設定ローンを組み、自動車保険に加入してくれる人の方が、営業マンにとっての旨みが大きい。ローンや保険に加入してくれる人に対して、営業マンは「頑張ってしまう」というわけである。
円滑なお付き合いができ、車両販売以外の実績が積み上げられるお客様を、営業マンは大切にし、自ずと値引き幅も大きくなる。
注文書に値引き額を入力するのは、顧客でも、店長でもない。営業マンただ一人だ。要求するのか、お願いするのか、それとも一緒に考えるのか、どのスタンスで話をすると、希望の値引き額に近づくのかは、賢明な読者の皆様なら、もうお分かりだろう。
自動車販売独特の文化である「値引き」は、営業マンとユーザーの共同作業で生まれる作品なのだと、筆者は思う。皆さんで、良い作品を作り上げていってほしい。
コメント
コメントの使い方値引き交渉した事無いんですよね。。
現金一括で買おうと思ってても、出来ればローン組んで欲しいと言われて組んだりしちゃうし。
担当者から自発的に値引きしときますねと言われた事も無いし。
まぁ、カモだと思われてるのかもだけど他人の顔色を気にしてしまう位なら自分が損してでもスムーズに話が進む方が良いと思ってしまう。