マニア感涙! 激アツハイブリッド特装車の世界

マニア感涙! 激アツハイブリッド特装車の世界

 いまや乗用車の新車の多くがハイブリッドカーとなっているが、トラックのハイブリッドは圧倒的に少数派。すでに世界の商用車メーカーはEVやFCVの実用化へと動いており、「ハイブリッドはもうオワコンなのでは?」という人も多いかも知れない。

 しかし、EVもFCVも本格的な実用化にはもう少し時間が必要。その時間を埋める役目を担うのが内燃機関に電動システムなどを組み合わせたハイブリッドである。そう、ハイブリッドの出番はこれからなのだ。

 ここでは世界の商用車メーカーがこぞってEV、FCVを開発している今だからこそ注目したい、世界のハイブリッド特装車を紹介しよう。

文/緒方五郎&編集部
※2019年3日発売「フルロード」第32号より

【画像ギャラリー】ハイブリッドの時代はこれからだ!? 世界のハイブリッド特装車たち!!


■世界の最新ハイブリッド特装車

フィンランドのシスが2018年に発表した大型ハイブリッドトラックが「ポーラー・ハイブリッド」だ。原木など重量物運搬を前提にしており、625馬力を発揮するエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせ、最高出力900馬力と最大トルク3600Nmを発揮。写真は4軸フルトラクタに脱着式2軸ドーリ+3軸セミトレーラを組み合わせたものだ

 まずは現在開発が進められている最新のハイブリッド特装車から。ドイツ、イタリアなどではEV、FCVに本腰を入れるためハイブリッドトラックの開発から手を引くメーカーも現れてはいるが、現在も欧米やロシア、中国のメーカーによる開発が続けられている。

スカニアは大型ハイブリッドトラックを商品化する数少ないメーカーのひとつ。写真は汎用のPシリーズをベースとする大型プラグインハイブリッドトラックで、9リットルエンジンにバッテリーを3基搭載。モーターのみのEV走行で60kmを走行可能だ

 純ディーゼル車以上の燃費と低公害性を両立できるハイブリッドパワートレインの魅力は、まだまだ衰えていないのである。

ドイツの消防車メーカー・ローゼンバウアー社の次世代多目的消防車コンセプト「CFT(コンセプト・ファイア・トラック)」。緊急車両用に最適化されたシャシーにハイブリッドシステムを搭載。ポンプ車、レスキュー車、救急車などさまざまな架装仕様に対応する
ロシアのカマ自動車工場(KamAZ)が開発した大型ハイブリッド塵芥車。6.7リットルエンジンにパラレルハイブリッドシステムを組み合わせ、モーターのみのEV走行が可能。ボディの塵芥装置も電動式だ

■改造車に軍用車両も! さまざまなハイブリッド特装車

アメリカの軍用車両メーカー、オシュコシュ・ディフェンス社の「HEMMTプロパルス・ハイブリッド」。プロパルスとは、同社が開発した軍用大型トラック向けのシリーズハイブリッドシステムのこと。発電用エンジン、走行用モーター、スーパーキャパシタで構成され、燃費を約20%以上改善するほか、野戦飛行場や野戦病院の電源としても活用できるという

 ハイブリッドシステムをパワートレインに用いる試みは、これまで紹介してきた「普通のトラック」「普通の特装車」だけではない。軍用のトラック、大型モバイルクレーンなどでもハイブリッドシステムの導入が試みられている。

ロシアのウリヤノフスク自動車工場(UAZ)が開発した、ロシア初のプラグインハイブリッド小型商用車が「プロフィ・ハイブリッド」。2.3リットルエンジンにモーター、トランスミッション、バッテリーを搭載し燃費向上を図っている

 また、2000年代後半〜2010年代前半はさまざまなハイブリッドシステムが積極的に開発された時代で、バッテリーやモーターを用いないユニークなハイブリッドシステムも存在した。

アメリカの特装車メーカー、オートカー社が開発した蓄圧式ハイブリッド塵芥車「エクスペディターE3ハイブリッド」。蓄圧式ハイブリッドとは、減速時や制動時のエネルギーを油圧として蓄圧器に保存し、発進時にトルクアシストに用いるもの。欧米の油圧メーカーが開発していたが、現在はすべてが消滅してしまっている
アメリカの大手運送会社ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)社が実証試験に使用していた蓄圧式ハイブリッド配送バン。シリーズ式の蓄圧式ハイブリッドシステムをウォークスルータイプのバン型車両に搭載していた

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