EVやFCVの本格的実用化がまだ先になりそうな今だからこそ注目したい、世界のハイブリッド特装車をご紹介
フィンランドのシスが2018年に発表した大型ハイブリッドトラックが「ポーラー・ハイブリッド」だ。原木など重量物運搬を前提にしており、625馬力を発揮するエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせ、最高出力900馬力と最大トルク3600Nmを発揮。写真は4軸フルトラクタに脱着式2軸ドーリ+3軸セミトレーラを組み合わせたものだ
スカニアは大型ハイブリッドトラックを商品化する数少ないメーカーのひとつ。写真は汎用のPシリーズをベースとする大型プラグインハイブリッドトラックで、9リットルエンジンにバッテリーを3基搭載。モーターのみのEV走行で60kmを走行可能だ
ドイツの消防車メーカー・ローゼンバウアー社の次世代多目的消防車コンセプト「CFT(コンセプト・ファイア・トラック)」。緊急車両用に最適化されたシャシーにハイブリッドシステムを搭載。ポンプ車、レスキュー車、救急車などさまざまな架装仕様に対応する
ロシアのカマ自動車工場(KamAZ)が開発した大型ハイブリッド塵芥車。6.7リットルエンジンにパラレルハイブリッドシステムを組み合わせ、モーターのみのEV走行が可能。ボディの塵芥装置も電動式だ
アメリカの軍用車両メーカー、オシュコシュ・ディフェンス社の「HEMMTプロパルス・ハイブリッド」。プロパルスとは、同社が開発した軍用大型トラック向けのシリーズハイブリッドシステムのこと。発電用エンジン、走行用モーター、スーパーキャパシタで構成され、燃費を約20%以上改善するほか、野戦飛行場や野戦病院の電源としても活用できるという
ロシアのウリヤノフスク自動車工場(UAZ)が開発した、ロシア初のプラグインハイブリッド小型商用車が「プロフィ・ハイブリッド」。2.3リットルエンジンにモーター、トランスミッション、バッテリーを搭載し燃費向上を図っている
アメリカの特装車メーカー、オートカー社が開発した蓄圧式ハイブリッド塵芥車「エクスペディターE3ハイブリッド」。蓄圧式ハイブリッドとは、減速時や制動時のエネルギーを油圧として蓄圧器に保存し、発進時にトルクアシストに用いるもの。欧米の油圧メーカーが開発していたが、現在はすべてが消滅してしまっている
アメリカの大手運送会社ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)社が実証試験に使用していた蓄圧式ハイブリッド配送バン。シリーズ式の蓄圧式ハイブリッドシステムをウォークスルータイプのバン型車両に搭載していた
日野自動車が2019年に発売した現行日野プロフィアハイブリッドは、AIとGPSを活用してハイブリッドシステムの先読み制御を行なうのが特徴。同車両をベースとする現行「クールハイブリッド」は、回生した電力により冷凍機を電気駆動しつつ、走行アシストも行なうという、世界のハイブリッド特装車と比べても群を抜く先進性を誇る
日本が誇る小型ハイブリッドトラックは国内だと配送用途がメインだが、一部の車種は海外にも輸出され、現地で上モノを架装しハイブリッド特装車として活躍している。写真は三菱ふそうキャンターエコハイブリッド7C15型ベースのハイブリッド塵芥車だ。なお三菱ふそうは先代キャンターを最後にハイブリッドトラックの開発から撤退している