■軽自動車のマイルドハイブリッドは燃費がよくない
逆に燃費の良くないハイブリッドはどれか。燃費向上率が最も低いのは、軽自動車を中心に採用されるマイルドハイブリッドだ。モーター機能付き発電機を搭載して、減速時の充電、アイドリングストップ後の再始動、エンジン駆動の支援を行う。
いわば簡易型のハイブリッドで、新型車のワゴンRスマイルが搭載するマイルドハイブリッドのWLTCモード燃費は25.1km/Lだ。ノーマルエンジンは23.9km/Lだから、燃費向上率は5%に留まる。
ワゴンRスマイルのノーマルエンジンには、アイドリングストップが装着されないので、燃費の節約効果もアイドリングの停止によるところが大きい。
その代わりマイルドハイブリッドは価格も安い。ワゴンRスマイルの場合、ハイブリッドSはノーマルエンジンのGに比べて17万6000円高いが、この内の約13万円は、両側スライドドアの電動機能、運転席の上下調節機能、チルトステアリングといった装備で埋まってしまう。
したがってマイルドハイブリッドの正味価格は約4万6000円だ。ストロングハイブリッドは、35万~60万円に達するので、マイルドハイブリッドは燃費の節約効果が少ない代わりに価格も安い。
そのほか、スズキのマイクロハイブリッド搭載車のWLTCモード燃費は、ワゴンRが25.2km/L、スペーシアが22.2km/L、ハスラーが25.0km/L。
モーターの最高出力は、スズキの場合で2.6~3.1ps、最大トルクは4.1~5.1kgmだ。燃費向上率はワゴンRで3%だから、このシステムだけで2030年度燃費基準に対応するのは難しい。
■フォレスターe-BOXER:WLTCモード燃費:14.0km/L
スバルのe-BOXERも燃費が良くない。フォレスターのe-BOXERは、WLTCモード燃費が14.0km/Lで、スポーツが搭載する1.8Lターボは13.6km/Lだ。ターボが直噴式を採用したこともあり、高い動力性能を発揮しながら、燃費数値はe-BOXERと比べて0.4km/Lしか違わない。
特にWLTCモード燃費の郊外モードは、ターボが14.3km/Lで、e-BOXERは14.2km/Lだ。0.1km/Lの違いだが、e-BOXERの数値がターボよりも劣る。つまり使われ方によっては、e-BOXERの実用燃費が、ターボに比べて悪化することも考えられる。
e-BOXERのメカニズムもシンプルだ。モーターはコンパクトで、動力性能も最高出力が13.6馬力、最大トルクは6.6kg-mに留まる。そのために価格が安く、e-BOXERの正味価格は10万~12万円だ。マイルドハイブリッドに近い設定となる。
■スカイラインハイブリッド:WLTCモード燃費/14.4km/L
スカイラインのV型6気筒3.5Lハイブリッドも、WLTCモード燃費は14.4km/Lと伸び悩む。V型6気筒3Lツインターボの数値は、最高出力が405psに達する400Rを含めて10km/Lだ。
ハイブリッドの燃費数値はツインターボの1.4倍になる。特にWLTCモード燃費の郊外モードは、ハイブリッドが12.3km/L、ツインターボは10.6km/Lだから、ハイブリッドの数値は1.2倍だ。
スカイラインのハイブリッドには、運転支援機能のプロパイロット2.0が装着され、ツインターボは衝突被害軽減ブレーキが歩行者も検知できない。先進装備ではハイブリッドにメリットがあるが、動力性能と燃費のバランス、価格の割安感ではツインターボの魅力が上まわる。
コメント
コメントの使い方最近トヨタライズハイブリッド車を新車購入したが、街乗り燃費16.0kmを上回ることがない。ディーラーに相談したが運転の仕方が悪いのでは?などと疑われた。運転歴47年の私に言う言葉かと対応を疑った。購入後6ヶ月になるがさらに燃費が悪くなっているような気がします。対応策はないでしょうか?