■切れ味鋭いハンドリングとグリップ力ならPOTENZAシリーズ
ブリヂストンのスポーツラジアルはPOTENZAシリーズ。現在はRE-71RSが主力モデル。他社とは異なり、タイヤの回転方向指定ではなく、IN/OUT側指定の設計だ。
IN/OUT側をそれぞれ専用設計にできるので、OUT側は硬く、IN側は潰れるように、といったことが可能。コーナリング時の接地面積の最適化が図れるようになった。それによってグリップ力のアップと、ライフもよくなったという。
ハンドリングはシャープさが特徴。オン・ザ・レールの切れ味鋭いハンドリングで狙ったラインをトレースすることができる。そのためにはアライメント調整や、サスペンションのセッティングが重要。サスペンションは大きくロールするよりは、小さめロールの方が相性が良い。
アライメントはタイヤ自体が接地面積を稼ぐ設計になっているので、キャンバー角は少なめにしたほうが本領を発揮しやすい。
もっとグリップを求めるならRE-12Dがある。こちらはさらにシャープさを強化したキャラクターで、硬めのサスで上手くマッチングさせれば切れ味あるコーナリングが可能。摩耗はそれなりに早いし、そもそもステアフィールを良くするために溝が浅い設計なので、普段乗りがメインならRE-71RSがオススメ。
■走っても走ってもタイムが出るDIREZZAシリーズ
ダンロップのDIREZZAシリーズはそのタフさが売り。Z IからコンパウンドのマイナーチェンジをしてZ I STARSPEC。フルモデルチェンジしてZ II、マイナーチェンジのZ II STARSPEC。そして現行のZ IIIと進化してきた。
いずれも当時最高レベルのグリップ力と、タフな性能がポイント。新品時からすり減るまで大きく性能が変わらないので、何度もサーキット走行を楽しんで、ベストタイム更新を狙えるとリピーターが多い。
性能はクセがなく、いろいろな意味で普通。空気圧も温まったときに2.0~2.3kg/平方センチメートル付近にしておけばだいたいOK。いい意味で鈍感なタイヤなのだ。
これまで2年スパンでSTARSPECにマイナーチェンジしていたが、Z IIIは2017年にデビューし、現時点でSTARSPECはない。正直グリップ力では最新の他社タイヤには及ばないが、安定した性能は特筆もの。価格も国産スポーツラジアルの中ではリーズナブルで、コストパフォーマンスは高い。
■高いグリップがすぐに得られるEAGLE RS SPORT
グッドイヤーのEAGLEシリーズのホットモデルはRS SPORT S-SPEC。もともとダンロップのDIREZZAと兄弟モデルとも言えるもの。住友ゴム工業(ダンロップ)とグッドイヤーがアライアンス契約を結んでいた頃(現在は解消)に登場したモデルで、コンパウンドや構造などもかなり近いものだった。
しかし、明らかにRS SPORTの方が冷間時からの温まりが早い。真冬のサーキットでもコースインした翌周から明確にグリップが感じられ、不安感なく走れると人気に。
エンジンが熱を持って連続周回でパワーダウンしやすいロータリーエンジンのRX-8では、エンジンがフレッシュなうちにアタックできると高い人気を誇った。
グリップ力はDIREZZA Z IIIと同等だが、ピークが来るのが早く、熱ダレしていくのもやや早い。扱いは難しくなく、すぐにブワッとタイヤが温まってグリップが上がり、ステアリングが重く感じられるのは感動的でさえあるほど。タイヤがいつ温まったかわからない人にはぜひ体験してもらいたい。
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