大馬力PHV・EVスポーツカーの登場で死滅!? 最高の純エンジン車5選


■水素ガソリン開発、イタリアで純ガソリン車のスポーツカー保護という新しい動きも

チリ・パタゴニアに建設されるパイロットプラント。eフューエルはエンジンに変更を加えることなく混合することでCO2排出量を約85%削減。2022年のモービル1スーパーカップに採用されるという

 一方では、旧世代が喜ぶニュースも舞い込んでいる。

 ひとつは、ポルシェがエクソンモービルと共同で水素と二酸化炭素(CO2)を化学的に合成した燃料(eフューエル)を開発中、というもの。内燃機関を愛するポルシェユーザーのための燃料で、水素ガソリンとも呼ばれる。今年中には南米アルゼンチンのパタゴニアで、再生可能エネルギーを用いて水素を生産し、それを使って製造が始まる。

 現状のコストは通常ガソリンの10倍だが、将来的には1リッター2ドル(約220円程度にまで引き下げるのが目標、とポルシェの首脳陣は語っている。

 ポルシェに限らず、こういったカーボンフリーなガソリンの製造が軌道に乗れば、ガソリンエンジンは生き残れる。燃料コストは大幅に上がるので、一般的なクルマには高すぎるが、趣味性の強いスポーツカーや、走る宝飾品であるスーパーカー用なら何の問題もない。無音のEVばかりのなか、内燃機関の咆哮は、特権階級の象徴としてもてはやされそうだ。

 トヨタの水素エンジンも、「内燃機関生き残り策」として話題になったが、水素は専用タンクを積まねばならないし、パワーも出しづらく、運搬も貯蔵も難しい。一方カーボンフリーガソリンなら、供給網も内燃機関も、現状のままですべてオッケー! なんてすばらしいことでしょう。

 もうひとつは、「イタリア政府が、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーを守るべく、EUと協議中」というニュースだ。

 このままでは、2035年には、すべてのスーパーカーがEVにならざるを得ないわけで、イタリアとしては危機感を持って当然。この協議が実るかどうかは未知数だが、カーボンフリーガソリンの実現可能性と併せて考えれば、ガソリンエンジンのスーパーカーは、今後も存続可能かもしれない。

■最高の純ガソリンスポーツカーを国別にピックアップ!

 なんとなくスーパーカーの未来が明るくなってきたところで、後世に残したい現行スポーツカーのガソリンエンジンを、各国1台ずつ選出してみたいと思います。

 GT-Rのエンジンも2020年モデルから超絶スムーズで気持ちよくなったが、やっぱり回す快感やサウンドは自然吸気が上。レクサスLCのV8は、レクサスLFA譲りのサウンド技術により、陶酔のエクゾーストノートを発する。これからのスポーツカーは、速さよりも快楽優先! と思えば、これが日本代表です。

●日本/レクサスLC/RC Fの5リッターV8エンジン

2017年にレクサスLC500の登場時に、10速ATとともに採用された5L、V8が2UR-GSE型だ。現在レクサスRC-F(581ps/535Nm)にも搭載されている
レクサスRC FやLC500に採用されている2UR-GSE型5L、V8DOHCエンジン。トランスミッションはLC500が10速AT、RC Fが8速AT


●日本/レクサスLC/RC Fの5リッターV8エンジン
■エンジン形式:V型8気筒DOHC
■排気量:4968cc
■最高出力:477ps/7100rpm、RC Fは481ps
■最大トルク:540Nm(55.1kgm)/4800rpm、RC Fは535Nm(54.6kgm)
■0~100km/h:4.4秒(LC500)、4.5秒(RC F)
■最高速度:270km/h(LC500)、274km/h(RC F)
■価格:1350万~1450円(LC500)、1052万~1449万円(RC F)

●アメリカ/コルベットの6.2リッターV8、OHVエンジン

完全新設計のミドシップレイアウトとなった8代目コルベット。ジェット戦闘機がモチーフという
ミドに積まれるエンジンは、LT2型6.2Lで最高出力は502ps、最大トルクは637Nmを発揮するOHVのV8。気筒休止システムを搭載するほか、最大1.2Gという旋回時においても確実な潤滑を維持するドライサンプ式を採用。トランスミッションは8速DCT

 アメ車からは8代目コルベットを推したい。コルベット史上、最もドラスティックに変貌を遂げた8代目は、これまでのフルフレーム構造のシャシーに軽量なファイバーボディを組み合わせた2シーターFRを捨て、誰も驚いたミドシップレイアウトを採用した。しかもフルフレーム構造ではなく、フェラーリF8トリブートやホンダNSXなどと同じアルミスペースフレーム構造である。

 古典的な自然吸気V8、OHVエンジンのビートは絶品。GMがあえてOHVを残している理由は、このフィーリングの維持・保存にある。できれば永久に残してもらいたい。

●アメリカ/シボレーコルベットの6.2リッターV8エンジン
■エンジン形式:V型8気筒OHV
■排気量:6153cc
■最高出力:502ps/6450rpm
■最大トルク:637Nm(65.0kgm)/5150rpm
■0~100km/h:2.9秒
■最高速度:312km/h
■価格:1180万~1550万円(コンバーチブル)

●ドイツ/メルセデスAMG A45S 4MATIC+の2リッター直4ターボ

2L最強のターボエンジンとしては驚異的な421ps/500Nmを発生するA45S 4MATIC+

 AMG GTからA45まで、現在のAMGエンジンの快感はスバラシイ。ついでにアストンマーティンに供与されているAMGエンジン(4リッターV8ターボ)のフィールも最高なれど、1000万円以下で買えるA45Sもぜんぜん負けてない! 誉れ高い2Lクラス最強のターボエンジン!

 快感ターボエンジンならAMGにとどめを刺す! 「バリバリバリバリ!」というアフターファイアー音よ永遠なれ!

M139型2L、直4DOHC直噴ターボは421ps/500Nmを発揮する。シングルターボで最大過給圧は2.1bar


●ドイツ/メルセデスAMG A45S 4MATIC+
■エンジン形式:直列4気筒直噴DOHCターボ
■排気量:1991cc
■最高出力:421ps/6750rpm
■最大トルク:500Nm(51.0kgm)/5000~5250rpm
■0~100km/h:3.9秒
■最高速度:270km/h(リミッター作動)
■価格:790万円

●イギリス/アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラのV12ツインターボ

スーパーレッジェーラは超軽量の意味。カーボン製のルーフやボンネット、アルミ製のドアが装着されDB11に比べ70kg軽い1693kg

 アストンマーティン自身がDBSスーパーレッジェーラを史上最速のGT(グランツーリスモ)と謳う。DB11がGT、このDBSスーパーレッジェーラはスーパーGTカーという位置づけだ。725ps/900Nmの5.2リッターV型12気筒ツインターボをフロントに搭載し、0~100km/h加速は3.4秒、最高速度は340km/hを誇る。

 ターボ付きながら、このエレガンスのカタマリのようなフィールは何!? とろけてしまうがな~! まさに貴族の放蕩です。

フロントに搭載された5.2リッターV型12気筒ツインターボエンジンに8速ATを組み合わせている


●イギリス/アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ
■エンジン形式:V型12気筒DOHCツインターボ
■排気量:5204cc
■最高出力:725ps/6500rpm
■最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1800~5000rpm
■0~100km/h:3.4秒
■最高速度:340km/h
■価格:3645万円

●イタリア/ランボルギーニ・ウラカンのV10エンジン

写真はランボルギーニのGTレース活動で培われた技術をフィードバックし、趣味性を高めたロードカー、ウラカンSTO。車重はウラカン・ペルフォルマンテ比で1339kg

 フェラーリV8がすべてターボ化され、天使のようなフェラーリサウンドを失った。やっぱりエンジンの快感なら自然吸気が優位なのですが、個人的にはフェラーリV12よりも、ウラカンのV10エンジンのほうが気持ちイイです。

 まあこれは好みの問題ですし、フェラーリ812スーパーファストはFRゆえにトラクションが不足していて、アクセルをほとんど全開にできないという問題があるのです(細かいことですが)。

 ウラカンのV10はアウディだろうというご指摘もあるでしょうが、いいものはいい! アヴェンタドールのV12は、この2台に比べるとそんなに気持ちよくないので落選です。

ウラカンSTOに搭載された5.2リッター自然吸気のV型10気筒DOHCエンジン。最高出力640ps/最大トルク565Nmを発揮。これに7速DCTを組み合わせる


●イタリア/ランボルギーニ・ウラカンSTO
■エンジン形式:V型10気筒DOHC
■排気量:5204cc
■最高出力:640ps/8000rpm
■最大トルク:565Nm(57.6kgm)/6500rpm
■0~100km/h:3.0秒
■最高速度:310km/h
■価格:4125万円

【画像ギャラリー】EV化が進んでもスーパーカーは健在!! 新時代のスーパースポーツと偉大な純ガソリン車