大馬力PHV・EVスポーツカーの登場で死滅!? 最高の純エンジン車5選

■8リッターW16、1500psのブガッティシロンも真っ青のEVスーパースポーツはなんと1914ps!

 では、EVスーパーカーはどうか。いつのまにかとんでもないことになっていた……。

●ポルシェのEV、タイカンターボS(モーターのみで625ps。オーバーブースト時の最高出力761ps)

ポルシェタイカンターボS。0~100km/h加速は2.8秒(ローンチコントロール時)と俊足
ポルシェタイカンターボS。0~100km/h加速は2.8秒(ローンチコントロール時)と俊足

 タイカンはさすがポルシェのEVらしく、実に自然な加速フィールのEVスーパーカー(4ドアですが)だ。クルマ好きとしては、「これならEVスポーツカーもアリかな」と思わせる納得の仕上がりで、未来感も満点。タイカンの価格は1200万円からと現実的だ。ターボS(ターボは搭載していない)はその最上級グレードで、2468万円。

●ワンメイクレースEV車両、ポルシェミッションR(1088ps)

435psの電気モーターがフロントアクスルに、リアには653psが供給される。高度な900Vテクノロジーとポルシェターボチャージャー(充電システム)によって、わずか15分で5~80%のSoC(充電状態)にバッテリーを充電することが可能
435psの電気モーターがフロントアクスルに、リアには653psが供給される。高度な900Vテクノロジーとポルシェターボチャージャー(充電システム)によって、わずか15分で5~80%のSoC(充電状態)にバッテリーを充電することが可能
ノーズセクションとリアウイングにドラッグリダクションシステム(DRS)を備えたポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)、エクソスケルトンと名付けられた新開発のカーボンルーフ構造を持つ
ノーズセクションとリアウイングにドラッグリダクションシステム(DRS)を備えたポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)、エクソスケルトンと名付けられた新開発のカーボンルーフ構造を持つ

 いまだ電動化されていない伝統の911シリーズを販売する一方で、パナメーラやカイエン(次期マカンはBEVに決定)にはHVやPHVをラインナップ、そしてBEVはタイカンという布陣と、電動化路線にもしっかり対応しているポルシェ。

 そのポルシェが9月7日から開催された「IAAモビリティ2021」に、新たなワンメイクレース車両、ミッションRを発表した。このミッションRはフルEV車両で、新開発の2つの電気モーターを備え、1088ps(予選モード)を発生し、約80kWhのバッテリーと回生システムを装着している。ボディサイズは現行718ケイマンよりわずかに短い全長4326mmだが、全幅は1990mmと超ワイドで、全高も1190mmと低い。

 ポルシェのワンメイクレースといえば、カレラカップ、現在では911GT3カップレースが行われているが、その車両は現行モデルの911、type992をベースとしている。

 ミッションRは、その現行911GT3カップとほぼ同じラップタイムでサーキットを周回。0~100km/h加速は2.5秒未満、最高速度は300km/h以上という。いずれそう遠くない将来に、ワンメイクレース車両は911GT3カップにとって変わる日が来るだろう。

●リマック・ネヴェーラ(4モーター4WD、最高出力1914ps)

VWグループとリマック・グループが合弁会社を設立。その株式45%ぶんをVWがグループ企業のポルシェに譲渡。リマックが新会社の株式の55%を取得し、新社名はブガッティ・リマックとなった。そのリマックが開発したのが1914psのネヴェーラ(左下)
VWグループとリマック・グループが合弁会社を設立。その株式45%ぶんをVWがグループ企業のポルシェに譲渡。リマックが新会社の株式の55%を取得し、新社名はブガッティ・リマックとなった。そのリマックが開発したのが1914psのネヴェーラ(左下)

 クロアチアの若者が起こしたEVスーパーカーメーカー「リマック」の新型車「ネヴェーラ」は、4モーター4WDで1914ps、最高速は412km/h。価格は2億6000万円。もはやEVで8リッターW16気筒4ターボ、1500psのブガッティシロンを超越しているのだから、もはや世も末だ。

 同社にポルシェも出資し、ブガッティとともにブガッティ・リマックという合弁会社を設立したというのだから凄い。

●ロータスのEVスーパーカー、エヴァイヤ(2000ps/1700Nm、70kWh、航続距離400km)価格はこちらも2億6000万円

ロータスが開発したBEVスーパーカー、エヴァイヤ。カーボンモノコック製ボディで車重は1680kg。2000ps、最大航続距離は400km、0~100km/h加速は3秒以下、最高速度は320km/h以上
ロータスが開発したBEVスーパーカー、エヴァイヤ。カーボンモノコック製ボディで車重は1680kg。2000ps、最大航続距離は400km、0~100km/h加速は3秒以下、最高速度は320km/h以上

 リマック・ネヴェーラやロータス・エヴァイヤといった2000馬力級のEVスーパーカーは、いったいどういうものなのだろう。富士急ハイランドの『ド・ドドンパ』より凄い加速になりそうだが、人間の体は耐えられるのだろうか。

 2023年に発売予定の2代目テスラロードスターも3基の電気モーター搭載し、最大トルク1020kgm、0~97km/h加速は1.9秒というから、狂気以外の何物でもない。

 スポーツカーの速さの指標となっているニュルブルクリンクタイムにおいてもEVが台頭しているのはご承知のとおり。中国版テスラといわれているEVスーパーカーメーカー、ネクストEVが開発したNIO「EP9」(1360ps)がウラカン・ペルフォルマンテを上回る6分45秒900を記録、最速EVの座を獲得している。

 旧世代のクルマ好きとしては、「何もそこまで……」と呆然とするのみだし、「EVなら何をやっても許されるのか」と、腹立たしい思いすらこみあげてくる。価格も天井知らずなので、ただ見送るのみですが。

次ページは : ■水素ガソリン開発、イタリアで純ガソリン車のスポーツカー保護という新しい動きも

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