ヤングタイマーが熱い! 今乗っておきたいちょっと古いクルマ5選

■トヨタセリカ GT-Four(ST205)/WRCのイメージが強いスペシャルティ

1993年10月に登場した6代目セリカ。写真は国内2100台限定で販売されたセリカGT-FOUR WRC仕様車。標準車と比べリアウイングがゲタ付きで高くなっていた
1993年10月に登場した6代目セリカ。写真は国内2100台限定で販売されたセリカGT-FOUR WRC仕様車。標準車と比べリアウイングがゲタ付きで高くなっていた


●販売期間:1994年2月~1999年2月
●中古車相場:150万~400万円

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 1993年10月に登場した6代目のセリカをベースとする4WDターボモデルである。FFモデルに遅れること4カ月の1994年2月に発売された。

 2Lターボエンジンはターボチャージャーの性能向上と給排気系の改良などにより、先代(ST185)比で30ps増の最高出力255ps/31.0kgmになるとともに、広い回転バンドで高トルクを発生する特性となった。

 世界ラリー選手権(WRC)参戦の公認を取得するために作られたのは、2500台限定(国内向けは2100台)の「GT-FOUR WRC仕様車」。旋回時のグリップを大幅に高める「スーパーストラットサスペンション」を採用したST205型ベースのグループAラリーカーは、1994年シーズン途中のラリー・オーストラリアから出場した。

 まぁ先代と比べて大きく重くなったST205のラリーカーは、ほかにもいろいろな事情があってWRCでは苦戦したわけだが、「WRCで戦った」という神話性と、この素敵なビジュアルは永久に不滅である。

GT-FOURに搭載されるエンジンは水冷式インタークーラーを標準装備した2L、直4DOHCターボ(255ps/31.0kgm)
GT-FOURに搭載されるエンジンは水冷式インタークーラーを標準装備した2L、直4DOHCターボ(255ps/31.0kgm)

 そして今乗ってみると、新車時は「肥大化した」だの「デブった」などと言われたST205だが、今となっては「可憐なサイズで非常に軽快な、ほどほどのパワーがむしろ好ましいスポーティクーペ」である。

 2021年の感覚からすると取り立てて速いわけではないのだが、サイズを含めたすべてがほどよく、「アマチュアの手にも負える感じ」が超絶好印象なのだ。

 なお筆者は未試乗であるため「オーナーから聞いた話」でしかないのだが、4WDターボではない普通のFFのT200型セリカも、非常に軽快でほどよいニュアンスであるらしい。WRCに特に思い入れがないのであれば、FFも含めて(あとはカレンも含めて?)柔軟に中古車を探してみるのが正解だろう。

■いすゞ ピアッツァ/G・ジウジアーロの歴史的名品

いすゞピアッツァはジェミニのプラットフォームを流用した4シーターの2ドアクーペ。ボディサイズは全長4310×全幅1655×全高1300mm。ちなみにピアッツァの意味はイタリア語で広場(正確には都市のなかにある広場)
いすゞピアッツァはジェミニのプラットフォームを流用した4シーターの2ドアクーペ。ボディサイズは全長4310×全幅1655×全高1300mm。ちなみにピアッツァの意味はイタリア語で広場(正確には都市のなかにある広場)
テールランプやガーニッシュなどリア回りのデザインも高い評価を受けている
テールランプやガーニッシュなどリア回りのデザインも高い評価を受けている


●販売期間:1981年6月~1991年8月
●中古車相場:100万~160万円

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 名車「いすゞ 117クーペ」の後継として1981年に登場したクーペタイプの小型乗用車。デザインを担当したのは、117クーペと同じく巨匠ジョルジェット・ジウジアーロだ。

 当時の国産車といえばエッジが立ったデザインが主流だったが、ピアッツァは曲面を多用した優雅かつ斬新なデザインを採用。またフラッシュサーフェス処理も先進的で、ウインドウまわりを中心に、ボディ表面の凸凹は極力排除されていた。

デジタルメーターやメーター両側のサテライトスイッチが近未来感を感じさせる
デジタルメーターやメーター両側のサテライトスイッチが近未来感を感じさせる

 ピアッツァは内装もジウジアーロのデザインが忠実に再現され、上級グレードのXEには「デジタルメーター」を標準装備。またそれ以外のグレードにも、メーターナセルの両脇に操作系を集中させた「サテライトスイッチ」を設置。右手側にライトスイッチなど11項目、左手側にワイパーなど13項目の操作スイッチを集中させることで、ステアリングから手を離すことなく大抵の操作ができる作りになっていた。

 駆動方式はFRで、当初の搭載エンジンは直4のG200型。上級グレードのXEにはジェミニZZ用1.8L DOHCを1.9Lに拡大したDOHCが搭載され、それ以外のグレードには117クーペ用2L SOHCを改良したユニットが搭載された。そして1984年6月には最高出力180psの2L SOHCターボを追加している。

 ピアッツァに関しては、この「セピア色の未来」が気に入って仕方ないのであれば、もう買うしかないだろう。ジウジアーロ先生による傑作デザインだけでなく、小ぶりなサイズそのものも、現在の車では絶対に味わえない魅力のひとつだからだ。

 とはいえ流通台数はもはやかなり少ない。購入希望者には、ピアッツァを得意とするごく一部の専門店の物件情報を、日頃からこまめにチェックすることをおすすめしたい。

アッソ・デ・フィオーリ(ピアッツァの前身)のデザインを手がけたG・ジウジアーロ。1938年8月生
アッソ・デ・フィオーリ(ピアッツァの前身)のデザインを手がけたG・ジウジアーロ。1938年8月生

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