■日産 レパード(F31型)/『あぶない刑事』を見ていた世代には懐かしい!
●販売期間:1986年2月~1992年5月
●中古車相場:130万~550万円
……これはもう「あぶデカ」である。ドラマ『あぶない刑事』がお好きなら、ぜひ前向きに検討してみたいヤングタイマーだ。
F31こと2代目の日産 レパードは、トヨタ ソアラの競合として登場した2ドアクーペ。冒頭の余談のとおり、テレビドラマ『あぶない刑事』のなかでタカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)が乗る捜査車両としても大人気となった一台だ。
プラットフォームなど基本設計はR31型スカイラインと共用で、前期型の搭載エンジンは国産初の3L V6DOHCのVG30DE(185ps)を頂点に、2L V6インタークーラーターボのVG20ET(155ps)、2L、V6自然吸気のVG20E(115ps)の3タイプが用意された。トランスミッションは前期型のVG20E搭載グレードに5MTが設定され、それ以外は4速ATのみという設定だった。
1988年のマイナーチェンジで後期型となり、3L、V6DOHCセラミックターボのVG30DET(255ps)を追加。そして2Lターボは155psのVG20ETから、最高出力210psのVG20DETセラミックターボに変更された。
このクルマは性能や乗り味ウンヌンでホレるものではなく、この世界観……、つまり合理化こそが正義とされる現在とはまったく異なる、バブル期ならではのムードにどっぷり浸りたい人が選ぶべきヤングタイマーと言えるだろう。
そしてこのエクステリアデザインも、男がピカピカのキザでいることを許容しない現代にあっては、なんとも魅力的に映るものだ。
■フォルクスワーゲン ゴルフ(2代目)/シンプルこのうえなく最新モデルにも引けをとらない
●販売期間:1986年2月~1992年5月
●中古車相場:130万~550万円
最後に輸入車から1台を選んでみたい。「今注目すべきヤングタイマー」といえば、コレを取り上げないわけにはいくまい。今や8代目が発売されたVWゴルフの2代目モデルである。
今ではゴルフも全長4295×全幅1795×全高1475mmという立派なサイズになったわけだが、ゴルフIIのそれは全長3985×全幅1665×全高1415mmで、車両重量も1トンちょいでしかなかった。
そして当然ながら48Vマイルドハイブリッドもデジタルコクピットプロも、何もない。あるのは四角四面のシンプルな車台&ボディと、SOHCのシンプルなガソリンエンジンだけだ(※DOHCのGTIやディーゼルもありましたが)。
それなのに……このクルマを運転する際の「感動」は、最新世代のゴルフ8にまったく引けをとらない。
いや、もちろん動力性能や安全性能、快適性などに関しては引けをとりまくりだが、「自分で機械を操作しながら、どこか遠くまでハイスピードで移動する」という自動車の根源的な魅力を味わううえでは、シンプルきわまりない作りである30年以上前のコレのほうが、ひょっとしたら上なんじゃないか? と感じる瞬間があるのだ。
すっとぼけた感じの3速ATもなかなか味があるとは言えるが、できれば5MTのゴルフIIを手に入れ、それをビシッと整備しておけば、快適性と安全性は劣るが、実用性と官能性という面ではゴルフ8にも決して負けないというか、部分的には勝る瞬間に、思わず口笛を吹いてしまうだろう。 現代の大げさなクルマに飽き飽きしている人にはぜひお薦めしたい、上等な素うどんのようなヤングタイマーである。
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