名門クラウンを支える圧倒的信頼と離れゆくユーザーが次に買う車のリアル

■クラウンは「トップ・オブ・トヨタ」ではない

写真のアルファードやハリアーは、すでにクラウンと同格かそれ以上の車となっている。「いつかはクラウン」は現在のクラウンオーナーには必ずしもあてはまらないのだ
写真のアルファードやハリアーは、すでにクラウンと同格かそれ以上の車となっている。「いつかはクラウン」は現在のクラウンオーナーには必ずしもあてはまらないのだ

 クラウンといえば「いつかはクラウン」という言葉がクローズアップされるが、今のクラウンオーナーは、この言葉を意識していないだろう。クラウンは、トヨタユーザーが最終目標地点として目指すべきクルマではなくなったと筆者は思う。

 今のトヨタラインナップを見ても、クラウンがトップ・オブ・トヨタとは言い難い。例えばアルファードやハリアーは、すでにクラウンと同格かそれ以上のクルマになっている。

 また今のユーザーは、クルマの階層を上り詰めることもしなくなった。自分の生きるステージに似合うクルマがあればそれでいい。

 こうした流れも現行クラウンに影響を与えたと思う。古くからの威厳ではなく、若々しさや瑞々しさを意識し、開発側もトヨタのフラッグシップという意識を薄くしているように感じるのだ。

 今後、クラウンは絶対王者ではなく、共存を意識する、優しい王様に生まれ変わっていくだろう。愛され続けるクラウンは、時代によって立ち位置を少しずつ柔軟に変えてきた。様々なオーナーの声に耳を傾けながら、クラウンの進化は続いていく。

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