■3位/マツダ ロードスター
2代目モデルまでのロードスターには、(褒められた使い方ではないが)クローズド状態なら頭上後方に普段持ち歩く鞄などを置けるスペースがあり便利だったのだが、3代目と現行型4代目モデルではそのスペースはなくなっている。
さらにラゲッジスペースも130Lと小さいことも事実だ。しかし、現行ロードスターのラゲッジスペースは、それぞれソフトバックに入れた1人分の荷物なら1泊分+ヘルメットなどのサーキット走行に必要な荷物、2人分なら2泊3日程度の荷物は積めるので、クルマの性格を考えれば充分だろう。
また、車内も軽量化のためグローブボックスがないのは痛いが、センターコンソール後方には鍵付きのコンソールボックスがあり、身の回りのものが置けるなどの配慮もされている。
■2位/ホンダ NSX
現行型2代目NSXは、日本限定30台の「タイプS」のみとなっていることもあり、新車を買うのは非常に難しくなっている。
それはさておき、NSXのラゲッジスペースはフロントボンネットには何も積めず、リアのラゲッジスペースも容量は公表されていないが、見るからに狭いうえにフロア中央左側に出っ張りがあることに加え、全幅が広いわりに長さがあるものを入れにくいのも辛い。
初代NSXのラゲッジスペースはゴルフバック2つが入ったのとは対照的だが、スーパーカーなので「これで充分」と言えばその通りなのだろう。
ただ、現行NSXで惜しかったのは、ハイブリッドカーのためシート後方に駆動用バッテリーや制御ECUなどが一体なったIPU(インテリジェントパワーユニット)が配置される点。
もしIPUがなければ、2シーターでもフェアレディZのようなシート後方のスペースを設けられた可能性があり、シート後方のスペースがあるとコートやちょっとした荷物が置けて、実質的な実用性はかなり向上したかもしれない。
■1位/ホンダ S660
S660も新車の入手できる可能性はほぼゼロとなっている。S660のフロントボンネットにある「ユーティリティボックス」は、ラゲッジスペースと呼んでいいのか微妙である。
このユーティリティボックスは、ロールトップという名称のソフトトップをオープン時に収納するためのスペースなので、オープンにしたら使えない。
さらに容量はロールトップを円柱状にしたサイズ+αしかないのに加え、ラジエーターの熱や走行中の振動により積めるものは相当限られる。心配なく積めるのは損傷があっても諦められる衣類くらいかもしれない。
余談ながらS660のご先祖様的存在となるビートのラゲッジスペースは、フロントボンネットに収納されるスペアタイヤの内側にケースを付ければ、車載工具のような小物は置ける。
さらにミッドに積まれるエンジン後方にメインとなるラゲッジスペースがあり、ここは丸めた寝袋2つくらいは入りそうで、S660を基準とすれば「こんなに荷物が積めるのか」と感じるくらいだ。
しかし、S660でも1人乗りと割り切れば助手席足元に機内持ち込み可能サイズのキャリーケースは積めるのに加え、キャリアを付ければ2人乗りでも入念な固定と雨対策のうえで厳選した1泊2日分の荷物2日分くらいは運べるだろう。
S660は割り切ったクルマだけに、荷物を積みたいときにはクルマに頼らず、自分で何とかするのもカッコいい。
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ラゲッジスペースは数値的な容量も大切だが、実際の使い勝手では「形状が四角形に近く、鞄などが積みやすいか」、電動メタルトップとなるオープンカーでは「オープン状態とクローズド状態での広さの違いの有無」といった様子も重要だ。
そのためスポーツモデルに限らずクルマを選ぶ際にはラゲッジスペースも実車を見て、「自分が必要とする容量があるか」も入念に確認しておくといいだろう。
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