■遂に来た!恐怖の「CANインベーダー」
そしてやはり話題は最新の「CANインベーダー」と呼ばれる盗難手法。クルマに少しでも詳しい人ならば聞いたことがあるだろう。
CANは「Controller Area Network」の略で簡単に言えばECUに代表される電子制御ユニット同士を繋ぐシリアル通信プロトコル(規格)のこと。現在のクルマは電子プラットフォーム化されており、車両の隅々までCANによる通信で車両を制御/管理している。
過去、CANインベーダーに関しては車両内にあるOBD-IIに専用機器を接続したり、車両周辺に張り巡らされたCAN-BUS信号用の配線に接続することで車両システムに介入していた。
しかし、最近では車両に接近し、専用のデバイス(携帯電話を使うケースもある)からアクセスすることで車両を盗難するケースも増えている。
■相手はプロであるということを認識せよ
ここで思うのが「まあ自分のクルマは大丈夫」という慢心だ。何せ相手はプロである。前に鍵屋に聞いた話では、住宅への侵入(泥棒)は10分経っても鍵が開けられなければ(とりあえず)諦めて去って行くとのことだったが、車両盗難は10分どころか5分あれば解錠して車両を盗むことなど朝飯前とのことだ。
おまけによく盗まれる車両の中にハイブリッド車があるが、EVモードにしておけばエンジン音も無くスルスルとクルマは動いてしまう。つまり気がつかないうちに盗まれてしまうわけだ。
さらに高級車の一部ではもし車両が盗まれた場合、車両に内蔵されたGPSを使ってある程度追跡(自車位置の把握)をすることもできるのだが、プロはまずそういうシステムをぶっ壊す!
具体的には複数犯の場合、車両を運転する係と、見張り兼、盗んだ後GPS配線等をカットしたりする、要は「足が着かない」ように作業をする係がいるわけだ。
■ではどうすれば良いのか(電子機器編)
まず有効なのはセキュリティアラームに代表される電子機器の導入だろう。
実はこれに関してはここでは語り尽くせないほど種類がある。ネットでも情報を得ることはできるが、カー用品店やカーセキュリティを専門にしているプロショップも多いので相談してみることをオススメする。
前述した犯罪に対してはとにかく車両に標準搭載のセキュリティでは確実に物足りない。また最近話題の通信を活用しシステムのアップデートが行えるOTA(Over The Air)を搭載している車両に関しても今後はセキュリティ面での脆弱性も指摘されている。
もちろん自動車メーカーはその対策を日々進化させているとはいえ、OTAという新しい“侵入経路”を生み出したことは窃盗犯にとっては皮肉にも好都合とも言える。
振動などを検知して大音量を鳴らすセキュリティアラームのほか、スタートスイッチとは別にサブの始動用隠しスイッチのような簡易型(3~4万円前後)、また効果的と言われているのがCAN-BUS信号を電子的に切断することでCANインベーダーが介入できないデジタルイモビライザー(5万円~)で、他にも多くの商品がある。
また駐車場が自宅にある場合、駐車場を監視するカメラも(ある程度)抑止効果がある。よく言われることだが「こういうのダミーで十分だ」というのは大間違い!
プロは数秒でこういうのを見抜くし、そもそも事前に周辺の環境や交通量なども調査済みで犯罪に及ぶのだから夜間にも強い商品を設置しなければ意味が無いのである。
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