言語道断!! 免停都議の人身事故で改めて考える無免許運転の罰則

■無免許運転にも種類がある?

『原付の無免許運転は罪が軽い』『普通免許を持っているなら免停中に原付の運転をしても違反点数が少ない』などの話は全てガセネタ。罪の軽重に差はつかない(Drobot Dean@AdobeStock)
『原付の無免許運転は罪が軽い』『普通免許を持っているなら免停中に原付の運転をしても違反点数が少ない』などの話は全てガセネタ。罪の軽重に差はつかない(Drobot Dean@AdobeStock)

 なお、法律上、無免許運転とされるのは、「運転免許証の交付自体を全く受けたことのない人がクルマの運転をした場合」(純無免という)以外にも、下記の5つのケースがある。

【1】有効期間の過ぎた免許での運転する場合
【2】取消し無免/運転免許の取消し処分を受けて、免許を再取得する前に運転した場合。
【3】停止中無免/免許の停止処分中に運転した場合。
【4】免許外運転/保有している免許の当該車両の種別以外の車両を運転した場合。
(四輪の免許しか保有していないのに、原付以外の二輪車の運転をした場合など)
【5】日本国内では無効とされる外国の運転免許証をもって運転していた場合。

 前述の木下都議は、【3】の「停止中無免」のパターンだ。どのケースでも、「無免許」であることには変わりなく、罪の軽重に差はつかない。

 また、原付の無免許運転は罪が軽いとか、普通自動車免許を持っている人なら、免停中に原付の運転をしても違反点数が少ないといった話を聞くことがあるが、これは全く根拠のないガセネタと言ってもいいだろう。

 原付だろうとトラックだろうと乗用車だろうと、無免許(当然、免停中を含む)で運転すれば、無免許運転は25点、「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」が待っている。

 罪が重い分、無免許で運転している人は、検問や職務質問から逃げようとすることもあるようだが、無免許で逃走する恐れがあるときや、交通事故を起こしてしまった場合は、現行犯逮捕される可能性もある。

 つまり、木下都議のように無免許で、人身事故を起こして、当て逃げしたとなると、本来は警察に身柄を抑えられてもおかしくなかったというわけだ……。

 さらにいえば、無免許運転を行なった者にクルマを貸し出した人や、同乗した人とも罪になるので要注意。

 無免許運転をした人に車両を提供した人は、「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっているので、違反点数以外は無免許運転の本人と同様の罰則!

 無免許であることを知りながら、その人に運転を依頼し同乗した場合は、依頼者・同乗者にも「二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金」の罰則が科される。

 このように無免許運転に関する罰則は、本人はもちろん、周囲の関係者に対しても非常に重い。

■法律で罰せられるのはもちろん社会的制裁も

現実問題として、無免許運転者が自動車保険に加入している例は多くはない。無免許運転をしない、させないという環境作りが重要だ(Piyomo@AdobeStock)
現実問題として、無免許運転者が自動車保険に加入している例は多くはない。無免許運転をしない、させないという環境作りが重要だ(Piyomo@AdobeStock)

 ついうっかり免許の更新を怠り失効させてしまった人や免許の取り消し処分を受けた人、あるいは免停処分を受けた人などは、「免許はないけど、運転スキルはある」という認識で、罪悪感が希薄なままハンドルを握ってしまうことがあるかもしれない。

 だが、世の中、なかなか悪いことはできないようにできている。無免許運転が発覚すると、法的な罰則だけでなく、職場を解雇されるなど、社会的な制裁も科せられる可能性も大きい。

 万が一、無免許運転で事故を起こした場合、自動車保険制度には被害者救済という観点があり、無免許運転であっても加害者が自動車保険に加入していれば、自賠責保険を含む対人賠償保険は適用され、相手の治療に対する保険金の支払いは行われることになっている。

 そして相手方の車が損傷したときも対物賠償保険から保険金が支払われる制度があるが、現実問題として、無免許運転者が自動車保険に加入している例は多くはない……。

 (※仮に自動車保険に加入していたとしても、事故を起こした無免許の運転者が被ったケガの治療費やクルマの修理代は自動車保険では補償されない)。

 昔(1980年代?)、ベストカー本誌で「無免でゴメン」という連載があったが、無免許運転はゴメンでは済まない重罪なので、無免許運転をしない、させない、許さない、環境作りが必要だ。

【画像ギャラリー】うっかりや出来心では済まされない!! 無免許運転をさせない環境作りを!!

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