主に東南アジア向けとなるホンダのコンパクトSUV「BR-V」が、9月21日にインドネシアで2代目モデルへフルモデルチェンジ。
本稿では、日本市場にも適応でき得る要素を備えた新型BR-Vを、初代モデルも振り返りながら紹介していく。
文/永田恵一、写真/HONDA
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BR-Vは実用性抜群な小型3列シートSUV
2015年にインドネシアでデビューした初代BR-Vは、主に東南アジア向けのフィットより一車格下のコンパクトカーで、日本車ならパッソ&ブーンやマーチに相当する初代ブリオをベース(初代ブリオのベースは2代目フィットだ)にしたモデルである。
初代BR-Vのボディサイズは全長4453mm×全幅1735mm×全高1666mm、ホイールベース2655mmと、ヴェゼルより全長が長い替わりに全幅は狭いというイメージ。エクステリアは比較的ボクシーで、インテリアは華美なところこそないけれど、雰囲気は明るく好ましかった。
また、フィットファミリーの1台だけに2列目シートの広さはもちろん、3列目シートもコンパクトSUVながら充分使える広さを持ち、5人乗り仕様は広いラゲッジスペースも備えていた。
機能面は1.5L・4気筒ガソリンNAエンジン+CVTが中心となるパワートレーンを搭載し、充分な動力性能と良好な燃費を両立。最低地上高も201mmと高く、悪路にも強いなど、ソツなく仕上りだった。
それでいて価格は、タイ仕様で5人乗り/76万5000バーツ(約252万6000円)、7人乗り/83万5000バーツ(約275万7000円)と、HR-V(日本における先代ヴェゼル)に対し5人乗りで約60万円安とリーズナブルなため、日本導入をラブコールしてきたわけだ。
なお、先代型初代BR-Vは、登場以来6年間で25万5000台以上を販売し、インドネシアではその約30%となる7万6846台が売れただけに、初代に続きインドネシアでのワールドプレミアとなったのだろう。
新型BR-Vはどう進化した?
2021年5月にインドネシアで公開されたコンセプトカー「N7X」ほぼそのままで登場した新型BR-Vのコンセプトは、「SUVのタフさとミニバンの広さの融合」とキープコンセプトである。
新型BR-Vのボディサイズは、全長4490×全幅1780×全高1685mm(アンテナを含む)と、全幅が45mm拡大され、エクステリアの押し出しあるグリルやホイールが16インチから17インチとなったことなど、立派なクルマになった印象だ。
インテリアもメーター内の4.2インチディスプレイやダッシュボードに付くスマートフォンとの接続も可能な7インチディスプレイにより、フルモデルチェンジ相応の新鮮さを持つほか、電源が増やされたことやカップホルダーをはじめとした収納スペースがより充実している点が強調されている。
また、先代BR-Vの3列目シートの収納方法は、前方に倒れるタイプだったので、床下収納とするなどの変更により、3列目シートを使わない際の使い勝手が向上していると嬉しい。
機能面は先代BR-Vと同じ1.5L・4気筒ガソリンNAエンジンに新しいCVTとMTが組み合わされる点と、自動ブレーキ&運転支援システムパッケージの「ホンダセンシング」が設定されることくらいしか発表されていない。
そのホンダセンシングの内容は、歩行者対応の自動ブレーキ、先行車追従型のアダプティブ・クルーズ・コントロール(パーキングブレーキがレバー式なので停止までは対応しないタイプだろう)、レーンキープアシストシステム、オートバイビームなどと、日本人からすると標準的だ。
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