なんでわざわざオレの隣に止める!?「トナラーの謎過ぎる心理」と迷惑なクルマでの行為3選

なんでわざわざオレの隣に止める!?「トナラーの謎過ぎる心理」と迷惑なクルマでの行為3選

 自分のマイカーでスーパーなどの商業施設に行き、広くて空いている駐車場でガラガラの場所にクルマを止め、買い物を終えて戻ってくると、ほかにも駐車枠があるのになぜか自分のクルマの隣に止められていた経験を持つドライバーも多いのではないだろうか。

 「何を好き好んでわざわざ自分の隣に……」と思わず舌打ちしてしまうようなシーンだが、これってクルマでなくても電車に乗っていても遭遇してしまうことも。こういった行為をする人のことを「トナラー」と呼ぶのだが、ほかにもクルマでの迷惑な行為である「アケラー」などについて国沢光宏氏に解説してもらった。

文/国沢光宏
写真/ベストカー編集部、photo AC

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■されたほうは不快な思いをする「トナラー経験」

 最近よく「トナラー」が話題にあがる。空いている駐車場なのに、なぜか隣へ止められてしまうという状況、皆さんも体験したことあるんじゃなかろうか。隣だとドアパンチされる可能性だってあり、ハッキリ「不快ですね!」と感じてしまう。私もトナラーされたら「あっちに駐めろよ!」と思う。なぜトナラーするのか、その心理をじっくり調べてみた。

広い駐車場にポツンと止めていたら、いつの間にか隣に1台。いわゆる「トナラー」だ。精神的な安定? 駐車位置の目印? トナラーの心理は謎だが、止められた側の心理としてはいい気はしない
広い駐車場にポツンと止めていたら、いつの間にか隣に1台。いわゆる「トナラー」だ。精神的な安定? 駐車位置の目印? トナラーの心理は謎だが、止められた側の心理としてはいい気はしない

 結論から書くと「不明」。いろんな説が流れているものの、決定的じゃない。強いて言えば「その時は空いていても必ず混雑する駐車場の場合、隣にヘンなクルマを止められるとイヤなので大事に乗られているクルマの隣を選びます」という人の意見だけ腑に落ちた。私も羽田空港の駐車場でそういった判断をすることありますから。

 もうひとつ。「駐車場の出入り口の近所だと、どうしても歩くのがイヤで空いていても隣のクルマの横に止めちゃいます」。これまた腑に落ちる。とはいえ本当にガラガラの駐車場で、出入り口から比較的離れていてもトナラーされることだってある。こらもうメンタル系のことだと思うので、いかんともしがたいかもしれません。

 唯一、トナラー対策を挙げると「駐車スペースに対し斜めに止めているクルマの横は選ばない」傾向。実際、私も駐車スペース余っているような駐車場に行ったら、トナラー対策として1年くらい前から斜めに止めている。効果テキメンで、斜め駐車している時はトナラーにヤラれたことがない。ただ、混雑する駐車場ではまっすぐに止めること。

トナラー対策の「斜め止め」。横に止めようとする際の圧迫感で効果はテキメンのようだ。ただし、白線を超えるような止め方は論外だし、接触リスクが上がることも認識しておきたい
トナラー対策の「斜め止め」。横に止めようとする際の圧迫感で効果はテキメンのようだ。ただし、白線を超えるような止め方は論外だし、接触リスクが上がることも認識しておきたい

渋滞の原因ともなる「アケラー」車間確保は安全運転の鉄則だが、ほどほどに

 信号などで停止する際、前のクルマへの過大な車間距離を取る「アケラー」という運転形態も目立つようになってきた。普通、信号停止時の車間距離は2m前後だと言われる。1時間ほど信号で見ていたら、皆さん2m前後。そんななか、クルマ1台分ほどの車間を取るドライバーも確かにいる。直近の1~2年で増えましたね!

 特に「あおり運転」が社会問題になり始めたあたりから顕著になった。停止時であっても車間距離を過大に取ると、道交法の基本概念である「交通の円滑な流れ」に反する。交通の円滑な流れは、交通の安全と同格。道路交通の一番根っ子になっており、憲法で言えば「基本的人権のようなもの。なんでアケラーが円滑な流れを乱すことになるのか?

通行量の多少にかかわらず、スムーズな流れが重要。車間にかぎらず、進路変更などスムーズな運転操作を心がけることはクルマの流れを止めず、渋滞回避につながることを心して運転したい
通行量の多少にかかわらず、スムーズな流れが重要。車間にかぎらず、進路変更などスムーズな運転操作を心がけることはクルマの流れを止めず、渋滞回避につながることを心して運転したい

 信号が変わった時をイメージしていただきたい。F1のように信号を見た全車が一斉にスタートする運転慣習なら車間距離長くても大きな問題なし! イタリアなんか面白いくらい信号変わったと同時に全体が走り始める。されど日本は先行車のスタートを見てから走り出す。車間距離が長いとそれだけ後続車のスタートも遅くなってしまう。

 もちろん、信号変わって走り出すクルマが2台とか3台という交通量の少ない地域ならまったく問題なし。でも交通量多いと「通過可能台数」=「青信号の時間だけ」になる。車間距離を長く取ると信号が青になってから走り出すまでのタイムラグが長くなり、その分だけ通過可能台数が減ってしまう。車間距離は2m前後が適当だろう。

今後の新車には運転支援システムが標準装備となる車両がますます増加していくだろう。高速道路などでは積極的な使用が、事故だけでなく渋滞防止などにもつながることの周知徹底が必要だ
今後の新車には運転支援システムが標準装備となる車両がますます増加していくだろう。高速道路などでは積極的な使用が、事故だけでなく渋滞防止などにもつながることの周知徹底が必要だ

 なぜ車間を過大に取るのか? 調べてみると「追突された時のマージンを考えている」とか「車間を詰めすぎたら怒る人もいそうだから」みたいなことを言う人もいる。でも大半は「何となく」という感じ。もう少し掘り下げると、道路交通全体など眼中になく、自分のことしか考えていないんだと思う。教習所で教えていないということかも。

コロナ禍で増加中の「カリラー」。走っている挙動から判断して防衛運転を

 新型コロナ禍で公共の交通機関を忌避するようになったのか、ここにきて目立つようになったのが「カリラー」。流れに乗れない運転ですね、と思ってクルマを見ると、けっこうな比率でレンタカーやカーシェアのコンパクトカーだったりする。クルマの所有率が減ってきた時点で新型コロナ禍が起きたため、借りるという方向に向かったんだろう。

コロナ禍でレンタカーの需要が高いという。家族や友人といった個別での移動が可能なことから、レンタカーへ流れたようだ。その分運転技量の低さやマナーの悪さが露呈したことも否めない
コロナ禍でレンタカーの需要が高いという。家族や友人といった個別での移動が可能なことから、レンタカーへ流れたようだ。その分運転技量の低さやマナーの悪さが露呈したことも否めない

 運転を見ていると安全運転の知識が薄い。高速道路の流入をノンビリした加速でチャレンジしたり、追い越し車線をマイペースで走り続けて後続車の怒りを買ったり、交通のジャマになるような場所に止めたり。普段クルマに乗っていない人が大量に街中を走っているんだと思う。なかには自分のクルマじゃないからと、ドアパンチ上等の輩も。

レンタカーを示す「わ」ナンバー。最近はカーシェア等の利用者が増えるなか、「わ」ナンバーだけでは借り物か否かはわからなくなってきており、走行中の挙動を見た上での判断が必要になってきた
レンタカーを示す「わ」ナンバー。最近はカーシェア等の利用者が増えるなか、「わ」ナンバーだけでは借り物か否かはわからなくなってきており、走行中の挙動を見た上での判断が必要になってきた

 カリラーは街中で遭遇するとクルマの挙動でわかるため、少し距離を置くことを薦めておく。なかには教習所で免許取ってから数回したハンドル握ってない人なんかいるそうな。ショッピングセンターや行楽地での駐車は、可能なかぎり端っこを選ぶことを薦めておく。端っこであればドアパンチされる可能性が半分になる

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