●シティターボII/ブリスターフェンダー
1981年に今でいうコンパクトカーとして登場した初代シティはトールボーイと呼ばれた全長が短く、全高が高いパッケージング、ユーモラスなエクステリアなどにより、老若男女誰もが乗りたがるクラスレスな魅力を持つモデルとして人気を集めた。
初代シティは人気車になったこともあり、登場後1.2リッターターボやオープンのカブリオレといったバリエーションを追加していくのだが、ターボの進化版として1983年に加わったのがターボIIである。
ターボIIはインタークーラーの追加などにより100馬力から110馬力にパワーアップされ、しなやかなサスペンションセッティングとされたほか、タイヤも165/70HR12から185/60R13にサイズアップされ、それに伴い全幅を1570mmから1625mmに55mm拡大されたブリスターフェンダーとなるワイドボディとなった。
シティターボIIはコンパクトカーのスポーツモデルらしい痛快な走りを楽しめたこともあり、「ブルドッグ」という愛称も付いた。
また、シティターボIIによるワンメイクレースもはじまり、大盛況だったのは良かったのだが、トールボーイだけにレース中転倒することが珍しくなかったのも、シティらしいご愛敬でもあった。
●インプレッサ22B-STIバージョン/ブリスターフェンダー
初代インプレッサWRXはグループA、より改造範囲の広いWRカーとレギュレーションが変わった1990年代のWRCのトップカテゴリーにおいて、1995年~1997年にメーカータイトル三連覇を果たした。
1997年は2ドアクーペベースのWRカーでタイトルを獲得したこともあり、そのロードカー的存在としてSTI初のコンプリートカーとして1998年に登場したのが22B-STIバージョンである。
迫力のあるブリスターフェンダーを樹脂製ではなくオリジナル同様に鉄板をプレスして手作業で溶接フィッティングしており、これによって車幅も当時のWRカー規定の1770mmまで広げられている。そのオーバーフェンダーだけでも4枚の部品単体価格が約85万円。
エンジン以外も駆動系、サスペンション、ブレーキなども抜かりなく強化され、速さだけではないWRカーの雰囲気をいつでも楽しめるコンプリートカーに仕上がっていた。
●スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40thアニバーサリー/ブリスターフェンダー
スカイライン誕生40周年を記念して生産されたスカイラインGT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー。
一見フロントマスク以外に強い迫力は感じないものの、後方に目をやると、R33型スカイラインGT-Rを4ドアセダンにしたモデルであることがわかる。
エクステリアは2ドアのGT-R同様にワイドボディ化され、リアのブリスターフェンダーとドアは専用金型で起こされており、生産は日産自動車の生産ラインで行われた。タイヤも2ドアのGT-R同様の245幅を履く。
インテリアはGT-Rと同じ一体型バケットシートとし、リアシートも2人掛けの乗車定員4名の左右独立のバケット風に変更されている。
なお、GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリーの価格は498万5000円と2ドアGT-Rの標準車と同等だった。
●パジェロエボリューション/ブリスターフェンダー
パジェロエボリューションは、1997年に行われたパリ・ダカールラリーのレギュレーション変更に伴い、そのホモロゲーション取得のために製作されたモデル(限定2500台)。
ラダーフレームを備えた2代目パジェロのショートボディ、メタルトップZR-Sをベースに開発され、大型インテーク付きのアルミエンジンフード、専用アウトレットを備えた大型ブリスターフェンダーを身にまとっていた。
ストロークが約35%長大化した専用の4輪独立懸架サスペンションに加え、世界初のフルタイム・パートタイム複合の4WDシステムであるスーパーセレクト4WD、ヘリカルLSDとビスカスを装着したハイブリッドLSDなど、メカを見てもスーパーSUVと呼べる内容だ。
エンジンは6G74型3.5L、V6DOHCに可変バルブタイミング機構のMIVECを組み合わせ、ベースモデルの245ps/35.0kgmから280ps/35.5kgmまで向上している。
●エスクード特装車V6スペシャル/ブリスターフェンダー
1998年、スズキがエスクードV6、2500にブリスターフェンダーやエアロパーツを装着し、発売したエスクードV6スペシャル。
専用エアロバンパーのほか、サイドスカート、リアルーフエンドスポイラー、そしてブリスターフェンダーを装着する凝りよう。メーカー自らがここまでやるのは珍しい。
●マーチボレロA30/ブリスターフェンダー
2016年にオーテックジャパンの30周年を記念して限定販売されたマーチボレロA30。365万4000円とマーチとしては高額ながら速攻で完売した。
オーテックが手掛けるカタログモデルのボレロをベースに、エンジン換装などオーテックの匠の業が注入されているのだが、圧巻は全幅を1810mmまで拡幅したワイドボディを採用していることだ。ノーマルのマーチに比べて全幅は145mmもワイド!
限定台数はわずか30台なので、街中で見かけることはまずないのが残念。オーテックジャパンの底力を見せつけられた1台といえるだろう。
●GRヤリス/ブリスターフェンダー
昨年モータースポーツ参戦ベース車として登場したGRヤリスは、1.6リッターターボ+4WDというパワートレーンの搭載や3ドアボディということだけでなく、プラットホームはボディ前半がヤリスのTNGA-B、ボディ後半がプリウスなどに使われるTNGA-Cとなる点など、ヤリスとは別のクルマである。
3ドアボディとなるGRヤリスは軽量化のためボンネットだけでなく左右のドアやバックドアもアルミ製となるほか、ルーフも生産性に優れるカーボンとなるほか、全幅もブリスターフェンダーの装着によりヤリスより110mm拡幅された1805mmと、特に後ろから見た姿は迫力満点だ。
また、GRヤリスは1.6リッターターボ+4WD系は圧倒的な速さとコントロール性の高さ、1.5リッターNAエンジン+FFとなるRSは余裕ある車体という日本車有数の運転する楽しさを備えており、欲しいなら即購入を勧めたいモデルに仕上がっている。
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