2021年9月10日に北米仕様が発表された新型WRX。日本でもスバルがティザーサイトを公開している。
このWRXで注目されたのがオーバーフェンダーだ。なぜ注目されたのかといえば、WRXに装着されたオーバーフェンダーが、ボディ同色ではない、艶消しブラックの樹脂製フェンダーだったから。
さっそくネット上では、この樹脂製フェンダーに対して「クロスオーバーSUVのようなフェンダーだ。なぜボディ同色にしないのか」といった意見が多く見受けられた。言われてみれば確かに、XVやアウトバックなどクロスオーバーSUVのような艶消しブラックの樹脂製フェンダーだ。
そこで改めて、これまで登場した、過去の装着車を中心にオーバーフェンダーについて考察してみた。
文/永田恵一
写真/トヨタ、日産、ホンダ、スバル、三菱、ベストカー編集部、ベストカーweb編集部
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■新型WRX北米仕様に装着されたオーバーフェンダーの機能
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新型WRXに付くオーバーフェンダーは、後述するオーバーフェンダーそもそもの目的である「太いタイヤを全幅内に収めるため」という点以外にも、空力などの機能も備える。
具体的に見ていくと、特にフロントのオーバーフェンダー後半部分にはホイールハウスに入った空気を抜くためのダクトが設けられている。
このダクトはスピードが上がった際のフロントのリフトを抑える効果があると発表されており、新型WRXの高速走行時のスタビリティ(走行安定性)はもともとAWDということもあり、より向上しているに違いない。
ちなみに、こういったフロントフェンダーに入った空気を抜くダクトを持つモデルは新型BRZ&GR86、マイナーチェンジ後のBMW5シリーズなどが代表的だ。
リアのオーバーフェンダーにはエアダクトはなく、赤いサイドマーカーが装着されている。リアのホイールハウスに入った空気はリアバンパー左右のダクトから排出されるようだ。
スバリストならまだ記憶に新しいと思うが、2019年末に北米のみ販売されたSTIコンプリートカー、S209を覚えているだろうか?
エクステリアで目立つのは、フロント、サイド回りでは、片側21mmずつ拡大した専用のワイドフェンダーやフロントフェンダーのエアアウトレットとフロントバンパーサイトのカナード、S209ロゴ入りサイドガーニッシュだ。
ちなみにフロントフロントバンパーのカナードは、ダウンフォースを発生させ、コーナリング時の速度を向上させる役割を持っている。
フロントフェンダー上のエアアウトレットはエンジンルームに溜まった熱を逃がす構造になっており、これも新規開発。
リア回りでは2つのエアアウトレットが開けられたリアバンパーやS209ロゴ入りのドライカーボン製リアスポイラーがスペシャル感を演出している。
特に22B-STIをリスペクトしたようなワイドフェンダーは迫力満点。このフェンダーに収まるのは歴代STIモデルで最大の幅を持つ265/35R19サイズのダンロップ製SP SPORT MAX GT600AとBBS製鍛造19インチアルミホイールだ。
専用タイヤは住友ゴムとゼロから開発したものでかなりの高グリップ性能だという。ちなみにS208が255/35R19、タイプRA-Rが245/40R18、北米仕様のタイプRAが245/35R19。
なお、新型WRXの北米仕様にオーバーフェンダーが付く点に関しては、「新型WRXにクロスオーバーが加わる布石なのでは(レヴォーグのクロスオーバー?)」という意見もあり、これは案外、的を射た想像なのかもしれない。
![2019年末に北米のみ限定で209台販売されたS209。価格は6万3995ドルで885ドルのデリバリーチャージがつくので現在の為替(1ドル110円)で換算すると約714万円 。このS209最大の特徴は22B-STIバージョンをリスペクトして装着されたオーバーフェンダー。フロントフェンダーにはダウンフォースを発生させ、コーナリング時の速度を向上させる役割を持つカナードが装着されている](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2021/10/03082521/S209-600x347.jpg)
![S209は通常のSTIモデルより全幅が片側約21mmずつ1839mmに拡大され、265/35ZR19インチタイヤと9J×19インチの鍛造BBS製ホイールを履くためだ。フロントフェンダー上のエアアウトレットはエンジンルームに溜まった熱を逃がす構造になっており、これも新規開発](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2021/10/03082649/85b6c6ebaeab06949e2e68a2055dda2e-600x400.jpg)
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